過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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435: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/06(日) 07:21:49.24 ID:ijSO94qlo
>>356の途中から
第十二話分岐
「じゃあ黒猫と組むわ」
目的を優勝ではなく豪華賞品の入手に絞るならば、この組み合わせが一番いいだろう。
どちらかに戦力を集中させて、もしそちらが一回戦で強敵とあたってしまったら元も子もない。
「わ、私でいいの?」
俺という貧乏くじをひかされたにしては意外な台詞だった。
しかしながら、案の定沙織と桐乃は黒猫を憐れむような目で見ている。
「黒猫、すまない」
黒猫の肩に両手を置き、謝罪する。ゲーマーであるこいつとしては本気で勝ちに行きたかったに違いないからな。
黒猫は、俺が手を置いた瞬間びくっと体を震わせたかと思うと、「莫迦じゃないの」という捨て台詞とともに、ぷいっと顔を背けてしまう。
俺は沙織たちの方に向き直り、こう続ける。
「賞品、絶対ゲットしようぜ!」
そんな俺を不機嫌そうな面で見つめる桐乃。沙織はぐるぐる眼鏡のせいで目元はよく見えないが、恐らく黒猫を憐れんでいることだろう。
大会当日。俺たちはシスカリ大会に参加するため、秋葉原に集まっていた。
ふっふっふ、俺だってこの一週間、ただ漫然と過ごしていたわけではない。実は、黒猫とマンツーマンでシスカリの特訓をしていたのだ。
今では黒猫には遠く及ばないものの、人並み以上の腕前になったと自負している。もしかすっと、俺って格ゲーの才能があったのかも……なんてな。
「そういえば、大会ってどこでやんの?」
「会場はso○map内のイベントフロアとなります。すぐそこですな」
沙織たちの後に続き、会場へと移動する。
会場は既にオタクたちで埋め尽くされており、イベントが始まるのを今か今かと待ち構えていた。
「……結構な人数来てんな」
まさか全員が参加者ってわけじゃないだろうが、それでもざっと見回して100人以上はいるように見える。
こいつらとやりあって勝てるんだろうか。なにせ相手は沙織や桐乃、そして黒猫よろしく本気でこのゲームを愛しているような奴らなのだ。
一週間程度の練習でどこまで通用するのか……俺、すっかり自信なくなってきたぜ。
「気後れする必要はないわ」
俺の不安を見抜いたのか、黒猫が声をかけてきた。
「卑屈すぎるのは鬱陶しいだけよ」
いつのまにか俺の隣にぴったりと寄り添うように並んでいる。その瞳は真っすぐと前を見据えていた。
こいつはこいつなりに気を遣ってくれたのだろう。今の言葉を翻訳すると、「自信を持って」となる。
俺が礼を言うと、黒猫は「ふん」とつまらなさそうに鼻をならしたのだった。
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