過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
1- 20
437: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/06(日) 07:23:44.00 ID:ijSO94qlo
「私は遠慮しておくわ」
「えっ?」

真っ先に争奪戦を降りたのは黒猫だった。

「で、でも……おまえあんなに欲しがってたじゃねえか」
「……気が変わったのよ」

気が変わったって……。
そんな理由で欲しくなくなるもんなのか? オタクってのはよくわからん。

「し、しかし、これを入手できたのは黒猫氏とお兄様のおかげなのですから……黒猫氏が欲しいと言えば拙者たちは降りようときりりん氏とも相談していたのですよ!?」

黒猫の気持ちがわからないのは俺だけではないようで、沙織も把握しかねているようだった。

「ふん……私はもう私の取り分以上のものをもらったわ。だからそれはあなた達で決めなさい」

そう言って黒猫はくるっと振り返り歩いていく。
振り返る瞬間、口元がにやりと半月型になっているのが見えた。黒猫の機嫌がいい証である。
あれ? あいつ、機嫌悪いんじゃなかったの?

「いてえ!?」

黒猫がいきなり上機嫌になった原因を考えていると、桐乃に脛を蹴られ、沙織に脳天にチョップをかまされた。

「な、なんなのおまえら!? 俺に一体なんの恨みがあるの!?」 

桐乃はともかく沙織まで!
両人とも、びきびきとこめかみに力が入っているのがわかる。

「……きもっ」
「今日の正座は20分で許して差し上げますわ」

俺が何をしたって言うんだ。
桐乃が何をそんなにキモがってるのかわからないし。沙織はなにやらご立腹なようだ。そもそも、沙織はなんでそんなに俺を正座させたいんだ。
あまりの怒りのためか、いつものお嬢様口調に戻っている。あるいは、俺を怒る時はその口調と決めているのだろうか。
丁寧な口調で怒られるのって怖いし、俺としてはござる口調で怒ってくれた方がいいんだけどな。
少し離れたところで俺たちがついてきていないことに気付いた黒猫は、立ち止まってこちらを楽しげに見つめていた。



第十二話おわり



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
533Res/332.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice