過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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451: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/08(火) 20:50:25.64 ID:s4+v7UlLo
「だからあれ以降も兄さんって呼び続けてたんだ」
ん?
「でも、ま、あんたも物好きだよね。あんなののどこがよかったの? 人のこと言えないけどさ」
「どこって……そうね…………優しい……ところ?」
一瞬感じた違和感はとりあえず脇に置いて、質問に答える。
自分でもわからない。あんなののどこがよかったのか。顔は地味だし、重度のシスコンだし。
でもこうなってしまったものは仕方がない。もうどうにもできない。
私は自分の気持ちに嘘をつけるほど器用ではないのだから。
「だよね。…………沙織が本当に羨ましい」
んん?
口をとがらせ、しょぼんとうなだれる親友。
しかし、今、私の思考は別のことに囚われていた。
口に出すのも恐ろしい。これを口に出してしまうとこいつに弱みを握られることになってしまう。
だけど、それでも確認せずにはいられない。
「あ、あなた…………ひょっとして……男性としてではなく、兄として好きだと言いだすんじゃないでしょうね?」
「は? そうだけど? ……あんた何だと思ってたの?」
ふ、不覚。まさかこの私がこんな凡ミスを犯してしまうなんて。
しばらくきょとんとした顔を私を見ていた親友だったが、私が犯してしまったミスに気付いてしまったようで、ぐにゃあとその口を歪める。
にやにやと下卑た笑みを浮かべている。「さて、今からどう料理してやろうか」というような顔に見えた。
……こんなことなら、普段この子をからかう回数を減らしておけばよかったわ。
「なに? あんた、あいつのことが好きなの? ……男として」
ぷくく、声が漏れた。申し訳程度に口を抑えてはいるようだが、それでも笑いをこらえきれないようだ。
「くっ……」
今の私はもはやまな板の上の鯉。あとは捌かれるのを待つことしかできない。
「ふ〜ん、そっかそっか。なるほどね」
腕を組み、顔を上下させてなにやら一人で納得している。
さて、ここからどんな風にいじられるのか……。あまり意味はないが気持ちの上だけでも身構えておく。
しかし、聞こえてきたのは意外な言葉だった。
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