過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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461: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/11(金) 01:04:55.17 ID:TnzDLdHjo
第十四話(黒猫√)
「で、どうだったんだ沙織?」
『…………』
待てども待てども電話の向こうの沙織から返事はない。
ま、まさか……そんな、嘘だろ?
「さ、沙織! 気をしっかりもて! い、今からそっちに――」
『てへっ。当然、受かっていましたわ』
「……おい、こんな時にふざけないでくれよ」
既に靴はいちゃっただろうが!
だが、なにはともあれこれで俺の一つ目の心配事は無事解決だ。
今の会話の概要を説明すると、受験の合格発表を見に行った沙織が合否を知らせる連絡を入れてきたって場面だ。
最初家の電話にかけたら誰もでなかったらしい。親父は仕事。お袋は家にいたはずだが……便所でも行ってたのかな。
そんな俺は気を紛らわせるため自室でヘッドフォンで音楽聞いてたもんだから電話に全く気がつかなかった。
その後、沙織が俺の携帯に電話してきたところでようやく気付いてやれたんだ。
ちなみに俺の方はもう春休みに突入していて暇だったんだ。決して妹の受験結果が心配で学校休んだわけじゃないからな。
「よかったな。おめでとう」
『ありがとうございます。でも――』
でも? なんか不満でもあるのか?
『お兄様は心配しすぎです。ほぼエスカレーター式だから心配ないって何度も言ったではありませんか』
「ぐっ……そうは言うがな」
兄貴が妹の心配して何が悪い。いいや、悪くないね! そうさ、なんせ俺はシスコンなんだからな!
「おまえだって、俺の受験の時朝からおろおろしてたじゃねえか」
『うっ……そ、それは今関係ありません!』
「懐かしいなあ。お茶ぶちまけたり、目玉焼きにいきなりふりかけをかけはじめたり――」
『ひっ、人の話を聞いて下さい!』
そう。だから俺が朝から目玉焼きに七味ふりかけちまったのも仕方ないことなんだよ。
ちくしょう、なんであんなところに七味がおいてあるんだ。お袋もちゃんと整理しといてくれよ。
「今から帰ってくるのか?」
『いえ、少し友人たちと談笑してから帰りますわ』
「そっか、わかった。お袋にも電話しといてやれよな」
こういうのは沙織から直接報告したほうがいいだろうからな。
『ええ、わかりました』
俺の意図を理解したのか、沙織は素直な返事を返してくれた。
電話を切ってから椅子を回転させ再び机に向き直る。
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