過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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510: ◆5yGS6snSLSFg[sage saga]
2011/03/19(土) 21:27:25.02 ID:BTEDHaXWo
「あ、あれ? 今のって……」
「黒猫さん――みたいですね」
「どうしたの? きょうちゃん、沙織ちゃん」

急いで黒猫らしき黒髪の少女を追いかける。どうやら向こうは俺たちに気付いていないようだ。

「く、黒猫?」

手が届くまであと少しの位置まで迫ったところで、その黒髪の少女に声をかけた。
その少女は上半身だけでこちらを振り返り、得意げにこう言った。

「おはようございます、先輩」
「く、黒猫……まさか、おまえも同じ高校だったのか」

黒猫が着ている制服は、見慣れた、俺の高校の制服だった。

「ええ、本当はもう少し黙っていようと思っていたのだけれどね。……あれ? おまえも?」

それまでにんまりとしていた黒猫が俺の言葉に違和感を感じとった時、後方から俺を呼ぶ声が聞こえてきた。

「お兄様、お待ちになって下さい」
「きょうちゃん待って〜」

はあはあ、と仲良く息をきらして沙織と麻奈実が追いついてくる。

「ひどいです、お兄様。私たちをほったらかして行ってしまうなんて」

沙織が俺を責め立て、その隣では麻奈実がうんうんとしきりに頷いている。

「すまんすまん。でもおかげで黒猫に追いつけたんだし、許してくれよ。なっ、黒猫」

同意を求めるべく黒猫の方に向き直ると、当の黒猫は目を丸くして棒立ちになっていた。

「な、なぜあなたが……こ、ここに、その暗黒聖闘士を纏って立っているの?」

いつから俺の高校の制服は暗黒聖闘士に衣替えしたんだ。
震える指で沙織を指さし、質問する黒猫。その表情には驚きの他に恐怖すら垣間見える。
まあ、こいつとしても沙織がここにいるのが不思議でしょうがないんだろう。俺だっててっきりエスカレーター式に進学すると思ってたからな。
とはいえ、俺が言えた義理ではないが、いくらなんでも驚きすぎだろ。なんでそんな何かにびびってるみたいなリアクションなんだよ。

「実は少し事情がありまして。詳しいことは後程」
「くっ……まあ、いいわ」

びびっていると思ったのもつかの間、あっというまにいつもの黒猫に戻ってしまった。

「黒猫さん――だっけ? おはよう〜」
「…………おはようございます」

麻奈実の挨拶に、一応返事を返す黒猫。……すっげー渋々だったけどな。
おまえはいつまで麻奈実を目の敵にしてるんだ。
ともあれ、今はそんなことを追求している場合ではない。

「やべ、ちょっとのんびりしすぎた。初日から遅刻しちゃまずいし、急ごうぜ」

そんな俺の言葉に対して三人は三者三様に頷いたのだった。



第十三話(沙織√)おわり



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