過去ログ - 俺の妹が身長180cmなわけはない
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8: ◆5yGS6snSLSFg[sage]
2011/01/12(水) 22:56:07.49 ID:KZdJ5BByo
そっか。そうなのか。
相変わらず俺にはよくわからないけどさ、おまえにとってそれは泣いちまうほど大事なもんなんだな?
それだけは……俺にもわかったよ。
「沙織――俺に任せろ」
30分後俺はリビングの扉の前に立っていた。
「お、親父……話がある」
「沙織は見つかったのか?」
「ああ……話、してきたよ、あいつと」
「それで?」
俺に一瞥もくれずに、促してくる親父。
怒りが熟成されたせいか、元からの極道ヅラがさらにやばいことになっている。
く……この時点で超怖いがここで引くわけにはいかない。
「沙織の趣味を……認めてやって欲しい。親父は盛大な誤解をしてるんだ」
「誤解だと?……言ってみろ。話だけは聞いてやる」
ひいっ……お、恐ろしい。
威勢のいい口叩いたはいいけど言った本人はマジ泣き入ってるぜ。
「親父はあいつがシンナーでもやってんのかと勘違いしてんだろうが、そうじゃねえんだよ!
あれは溶剤の匂いで……確かにシンナーも成分としては入ってるが、あくまでもただの塗料で、親父が想像してるようなもんじゃねえんだ!」
「そんなことか……そんなものはよく知っている」
「え?」
あ、あれ?なんで知ってんの?
あ、ひょっとして沙織が説得してる時に話したとかかな?
「おまえは知らんかもしれんがな、あの匂いは本物のシンナーなど比べものにならん中毒性があるのだ。最初は窓を開けるなど換気に注意していても、気づけば自ら閉め切って塗装するようになる。娘をそのような奴にするわけにはいかん」
……なんでそんなに実感こもってんだよ。
「い、いや、だとしても全部駄目だってのはおかしいだろ!その匂いが発生しないやり方だってあるはずだ!!」
「……確かに方法がないこともない。水性塗料や筆塗りであればその匂いも比較的少ない。だがな、一度エアブラシに手を出したものはそれでは満足できんのだ」
親父超詳しいな!まるで自分のことみたいじゃねえか!
「そんなの窓開けてりゃいいだけだろうが!沙織が心配ってんなら俺が換気してるか責任もって確認するからさ!」
「単に窓を開けていればいいという話ではない。近隣の方たちへの迷惑も考えろ。それがしつけというものだ」
く……埒があかねえ。それに親父の言うこともたしかに正論っぽい。
だがな、俺はここで諦めるわけにはいかない。沙織に言ったんだよ、俺に任せろってな。
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