過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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108: ◆AYASExLmi.[sage]
2011/01/04(火) 22:28:08.92 ID:g4ak.CYo
「俺が彼女として付き合いたいのは黒猫だ」
 俺がそう発言すると黒猫はやだ私の年収低すぎのネット広告の様に口を手で押さえアレとは逆に嬉し涙を浮かべながら顔を赤らめていた。
 一方、あやせは瞼を閉じて流れ出る涙を指先で拭っていた。
 だが、さっきの言葉だけでは俺の本心だとは言えない。
「話には続きがある、あやせも俺の愛人にしたい。それが俺の嘘偽りのない心だ!」
 今までそれぞれ別の理由で涙を流していた二人の顔が「は?」という口の形を作り硬直した。
 どうしても本心が知りたいというから自分の気持ちに正直に答えた。何か文句あっか!
「先輩、それは本気で言ってるのかしら?この穀潰し」
「お兄さんの決断だったらどんな言葉でも受け入れ様と思っていましたけど……正直、幻滅しました」
 ああ、やっぱりこうなるよな。お前たちが俺の翼だ!なんてEDは存在しちゃいけないよな、中の人だってそう思ってるはずだ。
「ふッ、俺は欲望に正直に答えただけだ。それで二人に振られても不幸になるのは俺だけで済むなら後悔はしないぜ」
 俺は破れかぶれでキリッと語尾に付きそうなキザな様で投げやりな台詞を吐いた。帰ったらみやびちゃんに癒して貰おう、そうしよう。
「何をドヤ顔で曰わって居るのかしらこの馬鹿は、全然微塵も格好良くなんて無いわよ」
「本当にお兄さんはダメ人間ですね」
 人は今の俺の愚かな言動と結果を見て笑うだろう。
 けどな、誰かが笑ってくれる最後ならそれはEDとしてアリなんじゃないか。
 だからもしこれがゲームだったとしてもDISCを割らないで貰いたい。
「ええ、本当に馬鹿で阿呆で最低の唐変木で人間失格ね」
 酷い罵倒の連続だが、エロゲで言えばBADEND直行の選択をしたのだから仕方あるまい。
 俺は、それだけの事を二人にしたのだから真摯に受け止めるさ。
「けど、そんな貴方を好きになってしまった私もどうしようも無く馬鹿ね」
「認めたくは無いですけど、私もお兄さんのダメな所もその……可愛いって思っちゃうんです」
 更なる罵倒を待ち構えて居たら二人の顔に何故か笑みが戻っていた。
「え……?どうなってるんだ?」
「私にも理解し難い傲慢な悪魔の様な先輩だけれど、私には覇王となるべく生まれた強欲で器の広い男性が相応しいわ」
「変ですよね、この気持……。でも変と恋って字はよく似てますよね。だからこういう恋もアリかなって思うんです」
 二人の俺にしてはまったく予想外の反応に俺は戸惑ったが、もしかしてこういう事か。
「二人とも、二股宣言した俺を許してくれるのか?」
「私の真名である黒猫は西洋では不幸を呼ぶ等として不吉の兆候として扱われるのだけれど、日本では逆に魔除けとして招き猫にもなっているわ。
 だから、私を手放さない様にする事ね。幸運を逃がしたくなければ」
「お兄さんはどうしようも無い変態ですが、私がきっと更正させてみせます。だから今は愛人でも構いません」
「黒猫、あやせ……俺達三人で幸せになろうな」


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