過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
[sage saga]
2011/01/07(金) 01:05:17.23 ID:A.1PcpE0
それに、
「フェイトさん、酔ってるでしょ?」
今のこの人はアルコールに脳まで溶かされてるんだ!
「よ、酔ってないもん!」
完全に酔ってる。だってこんな喋り方しねーもん。
「酔ってない証拠に、ほら!」
「えっちょっ!」
この瞬間、俺の中の時間が止まった、気がした。
いや、衝撃的すぎて実際に止まったね!ザ・ワールドだよ!スタンド使いだよこの人!
俺の初めてが、俺の唇が……、俺の唇に柔らかい感触が。
あろうことか、フェイトさんは酔ってない証拠にとキスをしてきた。
掴まれていた右手をグッと引き寄せ、こう……なんというか気付いたらキスされてた。
しかし、なぜにキス?と俺が戸惑っていると、
「息、くさないでしょ?」
なに初々しいカップルが「キスしちゃった」みたいなニュアンスで言ってんだよ!
それにくわえてさっきより頬が赤くなってんじゃねぇか!
そして俺!なるほど!って納得してんじゃねぇ!他にやり方あっただろーよ!
「なにやってだ!完全に酔ってるじゃねぇか!」
つい大きい声を出してしまったと思えば、フェイトさんは「えーでもぉ」とかなんとか甘えるような口調に言葉で、
掴んでいる俺の右手を左右にぶらんぶらんふりながら拗ねだした。
やべぇ……窓越しから覗くどっかで見たことあるようなおばさんや、その他のお客さんがチラチラこっち見てるよ……。
フェイトさんは聞く耳をもたず、どうしようと俺がアタフタしていると、ジャストタイミングでタクシーがこっちに来るのが見えた。
そのタクシーはまるで神の使いのように見え、俺には「その人を乗せて、君は帰りなさい」と声まで聞こえたね。
フェイトさんに掴まれたままの右手を逆に引っ張り、なんとかタクシーを捕まえ、
タクシーのおっちゃん、もとい天使には「これでこの人の家までお願いします!」とお金を渡し扉を閉めた。
フェイトさんをタクシーに乗り込ませるのにはかなり手こずったのは、言わずもがなお分かりだろう。
フェイトさんと一緒にいるとろくなことがねぇよ……。
喫茶店代とタクシー代を合わせ俺の財布の中身はすっかり厚みがなくなり、泣きそうになりながら俺は家に帰った。
─つづけたい─
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