過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
1- 20
325:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2011/01/07(金) 01:05:17.23 ID:A.1PcpE0

それに、

「フェイトさん、酔ってるでしょ?」

今のこの人はアルコールに脳まで溶かされてるんだ!

「よ、酔ってないもん!」

完全に酔ってる。だってこんな喋り方しねーもん。

「酔ってない証拠に、ほら!」

「えっちょっ!」

この瞬間、俺の中の時間が止まった、気がした。
いや、衝撃的すぎて実際に止まったね!ザ・ワールドだよ!スタンド使いだよこの人!
俺の初めてが、俺の唇が……、俺の唇に柔らかい感触が。
あろうことか、フェイトさんは酔ってない証拠にとキスをしてきた。
掴まれていた右手をグッと引き寄せ、こう……なんというか気付いたらキスされてた。
しかし、なぜにキス?と俺が戸惑っていると、

「息、くさないでしょ?」

なに初々しいカップルが「キスしちゃった」みたいなニュアンスで言ってんだよ!
それにくわえてさっきより頬が赤くなってんじゃねぇか!
そして俺!なるほど!って納得してんじゃねぇ!他にやり方あっただろーよ!

「なにやってだ!完全に酔ってるじゃねぇか!」

つい大きい声を出してしまったと思えば、フェイトさんは「えーでもぉ」とかなんとか甘えるような口調に言葉で、
掴んでいる俺の右手を左右にぶらんぶらんふりながら拗ねだした。
やべぇ……窓越しから覗くどっかで見たことあるようなおばさんや、その他のお客さんがチラチラこっち見てるよ……。
フェイトさんは聞く耳をもたず、どうしようと俺がアタフタしていると、ジャストタイミングでタクシーがこっちに来るのが見えた。
そのタクシーはまるで神の使いのように見え、俺には「その人を乗せて、君は帰りなさい」と声まで聞こえたね。

フェイトさんに掴まれたままの右手を逆に引っ張り、なんとかタクシーを捕まえ、
タクシーのおっちゃん、もとい天使には「これでこの人の家までお願いします!」とお金を渡し扉を閉めた。
フェイトさんをタクシーに乗り込ませるのにはかなり手こずったのは、言わずもがなお分かりだろう。

フェイトさんと一緒にいるとろくなことがねぇよ……。
喫茶店代とタクシー代を合わせ俺の財布の中身はすっかり厚みがなくなり、泣きそうになりながら俺は家に帰った。




─つづけたい─


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/394.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice