過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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521: ◆Neko./AmS6[sage]
2011/01/10(月) 00:04:00.89 ID:AkZboO+y0
10月といえば、行楽シーズンだよな。猫も杓子もやれ旅行だの、紅葉狩りだのといっては騒ぎやがって。

――――俺は、旅行にも紅葉狩りにも縁の無い悲しき受験生だよ。特に今年の夏は、桐乃に散々振り回されて
……妹もののエロゲーを強制的にやらされたり、色々と訳あって夏コミに連れて行ったり。

「京介ぇ――、開けるわよ〜」
「……お袋、いつも開けてから言うなよ。ノックしてから開けてくれって、頼んでんじゃねーか」

俺の部屋には鍵が掛からない。中学生の妹、桐乃の部屋には鍵が掛かるっていうのに。

「ごっめ〜ん。今度から気を付けるわよ〜」

『今度から気を付けるわよ〜』は、お袋の常套句だ。気を付けたためしがねーじゃねーか。

「お袋、あんたワザとやってんじゃねーか? 大体いつもい……」
「それより、京介〜……来週の土日暇でしょ? みんなでハイキング行く事になったから。あんた荷物持ちね」
「ぶふぉっ!!」

妹の桐乃といい、お袋といい、なんで家の女連中は……俺の予定も聞かないで勝手に物事を決めるかね。
だが悲しいかな、コイツ等が一度決まったって言う事を、俺が引っくり返せたためしはいまだ嘗て一度も無い。

「まあ、お袋がそういうなら決定事項なんだろう。でもみんなって? 親父……休み取れんの?」
「お父さんは働かせとけばいいのよ。わたしと、桐乃と、あやせちゃん……あと、荷物持ちのあんたね」

お袋と桐乃はともかく、あやせとハイキングってのはいいイベントだな。あやせとは最近、旨くいってるから、
このあたりであやせイベントを見事クリアして、一気にあやせの俺に対する高感度をだな……あれ?

「……そういや……お袋、いま土日って言ったよな? 泊まり?」
「そうよ、もう宿も予約したしね。まあ、小さな民宿だけど、今年から一応温泉もあるって事だし……」

それは一昨年の秋にお隣の奥さん連中と、小グループ旅行の際に一泊した民宿らしい。

「でもハイキングと言っても、そこそこの山道だから……それなりの準備はして置いて頂戴ね」
「10月と言ったって、山じゃ冷え込むだろうしな。俺、防寒着は最近新しいの買ったから平気だよ」


――――土曜日午前9時、俺達は東京都西多摩郡奥多摩町の奥多摩駅に到着した。

「なあ、お袋、お袋も桐乃も教えてくれなかったけどさあ、その宿までどんくらいあんの?」
「ほんの10キロ程よ。……まあ、途中で休憩するから……そうね〜……5、6時間だったかしら」

俺は歩く前から疲れたよ。10キロ……5、6時間……歩けと、隣で桐乃が軽蔑したように言った。

「あんたってさぁ〜……ほんっと体力無いからね、ぷくく……」
「ほっとけ、お前みたいな陸上やってたヤツと一緒にすんな!」

行程10キロに亘る俺の難行苦行の旅が始まった。あやせイベント処の騒ぎじゃねーな。


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