過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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522: ◆Neko./AmS6[sage]
2011/01/10(月) 00:04:48.09 ID:AkZboO+y0
難行苦行の旅も半分ほど消化すると、秋晴れの好天に恵まれたこともあって、歩くのにも多少は慣れてきた。
ただ、暑いんだよな〜。桐乃の格好は、ハイキングとあって流石に渋谷系ファッションではなく、ハーフパンツ
にトレーナー、その上に登山用のヤッケ。あやせはキュロットスカートにセーター、そしてウインドブレーカー
とどちらも軽装……と言っても、靴はそれぞれトレッキングシューズを履いていた。お袋は……まあ、いいか。

「ねえ、京介〜……あんたの格好、それ暑くないの? いくら山の中とはいっても奥多摩よ」
「お袋、山の天気を嘗めない方がいいぜ、……あとで後悔すっから」

とは言いながら、やっぱ暑いので防寒着は脱いで片手で持ったけどな。その下にセーター着てるし。

「おば様〜……今日はハイキングに誘って頂いて、本当にありがとうございます」
「あやせちゃん、そう言ってもらえると嬉しいわ〜。たまにはこうして女同士だけでハイキングもいいでしょ」

俺も居るんだがと言い掛けて、ああ……俺は今日は荷物持ちだったっけ! ハイハイ、頭数に入ってないのね。

「あやせちゃん、荷物重かったら遠慮せずに京介に持たせていいから、そのための京介なんだから」
「いえいえ、おば様、わたしの荷物は軽いですから全然平気です」

流石あやせだよ。桐乃なんて家を出た時からずっと俺に持たせて、自分は手ぶらなんだからよ。兄貴の俺をなん
だと思ってんだかね。……これじゃ夏コミの時と同じじゃねーか。

「ねぇ〜あんたさ〜……あやせの荷物も持ってやりたいんじゃないの。ぷくく、だってあんたは黒髪ロン……」
「ほっとけ! それ以上俺を辱めると、お前の荷物持ってやんねーぞ!」
「ふ〜ん、なにマジになってんだか……冗談に決まってんじゃん!」

先が思い遣られるとはこの事だな。まあ、景色も良いし空は何処までも澄み渡ってるし、気分転換にはいいか。

この舗装道路をもう少し行くと林道に入るって……さっきお袋が言っていた。――――それがあのような事態を
惹起するとは……その時、俺達の誰一人として全く予想もしていなかった。


――――舗装された国道を外れ、俺達は多摩川の源流である奥多摩湖へと続く林道へ……

「景色が良いですね〜おば様。東京にこんな所があるなんて、わたし知りませんでした」
「この林道から宿まではずっと落ち葉を踏みしめながらって、感じかしらね〜」

確かに景色も良いし、紅葉も綺麗だよ。でも、アスファルトに慣れた俺には歩き辛くってしょうがねえよ。

「あやせちゃんも桐乃も足元に気を付けてね」
「ありがとうございます。おば様」

あやせは確かに足元に注意しながら歩いちゃいるが、それに較べて桐乃はまあ……なんつーか流石に元陸上選手
だよな。すっげー軽やかと言うか、多少のデコボコなんて全く気にしちゃいねーで歩いてやんの。

「なあ〜、お袋〜、あとどんくらいあんの?」
「あら、もう音を上げたの? ……三分の二は超えたと思うから……そうね……この先に分れ道が見えきたら
 そこから一時間半くらいかしら。もうちょっとよ」


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