過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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525: ◆Neko./AmS6[sage]
2011/01/10(月) 00:07:42.14 ID:AkZboO+y0
お袋は元々、携帯を持って無いから、桐乃が自分の携帯をヤッケのポケットから取出し……

「あぁ――――、圏外だ!! なんでauだめなのよー!! もうー信じらんない!!」
「桐乃ー……わたしのdocomoだけど、やっぱり圏外……」

あやせも自分の携帯を確認する。俺も慌てて防寒着のポケットに入れていた携帯を取出し……

「なぁ、桐乃……俺の携帯、ソフ……」

「「「 却下!!! 」」」

なっ、なんで携帯持ってねーお袋まで言うんだよ。だが、携帯が通じない以上、あやせを除く俺達三人のうち、
誰か宿まで行って車を出して貰わなきゃいけねぇ。いや……超方向音痴のお袋を一人で行かすのは危険すぎる。
となるとだ……俺か桐乃のどちらかがお袋に付いて行きゃーいいんだな。

「京介、あんたがあやせちゃんに付き添ってあげて。それから桐乃はお母さんと一緒に宿まで来て頂戴」
「お、お母さん! なんでコイツがあやせに付いてなきゃいけないのよ! あやせにはあたしが……」

お袋は自分が方向音痴なのを良く認識している。俺もお袋には、俺か桐乃のどちらかが付いて行かなきゃとは
思っちゃいたが……桐乃が言うのももっともだ。何故、俺があやせに?

「お母〜さん! だってあやせは歩けないんだよ……そんなあやせの傍にコイツを置いてっ……」
「聞きなさいっ!! 桐乃!!」

お袋がこんな剣幕で怒るのなんて、滅多にねぇよな。いつだったか、桐乃が御鏡を彼氏だって偽って家に連れて
来たんで、俺と桐乃の間でひと悶着があった時以来じゃねえか?

「いい? 桐乃、お母さんの話をよく聞いて。……お母さんはね、桐乃が残る方が危ないと思うの。だって、
 あなた達はまだ中学生なんだもの。それも女の子二人だけを、こんな寂しい林道に残すなんてできないの」
「でっ、でも! ……お母さん!」

桐乃もお袋の言いたい事は十分に分かるのだろう。確かにこんな寂しい林道に女子中学生だけで……???
そういや、ずっと思ってたんだが、この林道……寂しすぎないか?
大体、林道なのにさっきから車は愚か人っ子ひとり通りゃしねーし、沙織から以前聞いたことのある廃道って、
まさにこういう道を言うんじゃ……

「なぁ、お袋が二年前にご近所の奥さん連中と来たって時も、こんな寂しい感じだったのか?」
「そんな事あるわけ無いじゃない。あの時は紅葉狩りシーズンだったのよ、もっとたくさん人がいたわよ」
「じゃあ聞くが、俺達はここに何しに来たんだっけ? 今お袋が言った紅葉狩りじゃなかったけ?」

お袋はしまったという顔をして、あさっての方を見ている。眼が泳いでるじゃねーか!

「お、お母さん! お母ーさんが道、間違ったんだね!」
「桐乃、何を言い出すの? お母さん……方角は間違ってないわよ」

こういうのを、イケシャアシャアと言うんだろうな。お宿は駅から見て西の方角にありますって言われてさ、
こんな山と林しかないところで……誰が辿り着くってんだよ。


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