過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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535: ◆Neko./AmS6[sage]
2011/01/10(月) 00:16:38.02 ID:AkZboO+y0
流石に元陸上部選手だよ。足首の怪我についても良く解ってんだな。俺はスタスタ走って行く桐乃の後姿に声を
掛けた――――

「お――い、桐乃――……俺の分の朝飯も頼む――――」
「あんたは――――、草でも食べてろって言ってんでしょ――……ちゃんと……あやせを連れて来てよね――」

行っちまいやがった。宿に帰って、ほんっとに俺の分の朝飯が無かったら……マジ泣くぞ。

「お兄さん、折角のハイキングだったのに……本当にごめんなさい」
「まあ、気にすんな。でもまあ、来る途中の林の中にあった神社に気付いてほんと助かったな」

俺の幼い頃の記憶に、僅かに残っていた近所の神社の面影。薄緑色に見えたのは銅葺き屋根の緑青の色だった。
つまりは銅が酸化してできる錆びの事。昔、桐乃を連れてよく行ったその神社はもう無いがな……

「あやせ……独りで歩けるか? 手貸そうか?」
「お兄さんって、本当に優しいですね。じゃー……お言葉に甘えて、ちょっとだけ腕に掴まらせて下さい」

遠慮がちに……俺の左腕に掴まりながら、『お兄さん? ……ちょっとだけお耳を貸して下さい』と言うので、
俺は何の気無しにあやせが立っている左側に小首を傾けた。

――――あやせは少しだけ背伸びして……俺の耳元で囁いた。「お兄さんの……い・く・じ・な・し」


(完)




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