過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.6
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あはっぴぃにゅうにゃぁ2011!
[sage]
2011/01/04(火) 19:35:14.68 ID:chArRJ.0
「桐乃は勉強は出来るし、スポーツだって抜群だし……わたしの自慢の親友なんです!」
小学生時代の桐乃は、勉強が出来たと言うわけでもなく、特に走るのは苦手だった事をあやせは知らない。
「――――でも……お兄さんの話をする時だけは……」
そこまで言って、何かを思い詰めた様に言い淀むあやせ。
「桐乃が羨ましかった、お兄さんの話を楽しそうに話す桐乃が……とても羨ましかったんです……わたしって、
本当は親友を妬んだりする醜くて浅ましい女なんですよ――っう」
あやせは両手で顔を覆い、身体を小刻みに震わせながら必死に何かに耐えている様子だった。
「お兄さん?、わたしのこと嫌いになったんじゃないですか?」
陽は大きく西に傾き、夕暮れの時を告げる――――
あやせは、ようやく顔を上げると何かを懐かしむ様な遠い眼をして、砂場の方へ視線を向けた。
「お兄さんは、この公園が来月には封鎖されてしまうの……知っていますか、いづれここにも……、新しい家が
建てられるそうです」
子供達の姿が消えた、名ばかりの児童公園。俺がまだ小学生のガキの頃には、幼い桐乃を連れてよく遊びに来て
いた公園。当時はブランコや滑り台などの遊具もあったが、今はもう撤去され砂場だけしか残っていない。
「――――わたし、今週の土曜日……引越す事になりました」
あやせは俯きながら、膝の上で絡めた指先を見つめ、すこし寂しそうに呟いた。全く予想もしなかった衝撃的な
告白に、迂闊にもあやせとの約束を忘れ、思わずその顔を見詰めてしまった。
俺は危うく口を突いてしまいそうになる言葉を無理やり押しとどめ、心の中であやせに問う。
『何処へ……行くんだ?』
「………………」
あやせは、下唇をギュッと噛んだ。
「お兄さんとこの公園でお会いするのも……、多分これで最後です」
『あやせ……何処へ引っ越すんだよ!』
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