158:とある複製の妹達支援[saga]
2011/01/22(土) 11:08:34.40 ID:pRtB1Rnho
その場にいた誰もが、目を閉じ、少年の頭に風穴が空いた姿を想像した。
だが、二人の少女だけは、何が起きたのか見届けていた。
安達「やっぱ――三下じゃん、アンタ」
初春「(ひ、左腕で)」
黒子「(わざと銃弾を受けた!?)」
安達「――オレを殺したいなら、22口径じゃ小さすぎるんだよ!」ブン
一気に立ち上がり、その場で体を一回転させる。
足の痛みで、どうしても甘くなる踏み込みを回転で補う為に。そして、その遠心力が右手に集中するように。
振り下ろされるのは、拳銃が握られたままの右手の裏拳。
その渾身の一撃が、強盗犯の横っ面に叩き込まれる。
絶対等速「がァああああああああああああああああッ!?」
その場に拳銃を落とし、絶対等速の体は斜め後方へと吹っ飛ばされる。
安達「浅いかっ!?」
手応えから、そう判断した安達は追撃を行うべく前進しようとするが、落ちた拳銃に足を取られ、体勢を崩す。
絶対等速「この、クソ坊主がああああああァァあああああっ!!」ゴソッ
その手に握られるのは5つの鉄球。
安達「(複数同時に使えるのか!?)」ダッ
広範囲をカバーするように放たれれば、恐らく回避は不可能な必殺の一撃。
――しかし、絶対等速は忘れていた。
黒子「させませんっ!!」ブン
――自分の敵は一人ではない事を。
この時、あえて黒子は自らの能力ではなく、単純な投擲を選んだ。
得物は、安達が踏んづけて、偶然手元へと転がってきた絶対等速の拳銃。
黒光りするそれを、今まさに鉄球を放とうとしている絶対等速の顔に目掛けて、思いっきりぶん投げたのだ。
絶対等速「なっ!?」サッ
直撃寸前で、飛んできた拳銃を辛うじて避ける。
だが、その回避運動によって、その手を離れつつあった鉄球の『狙い』は大きく逸れた。
上下左右、あらぬ方向へと一定の速度で飛んでいく鉄球達。
安達「――いやはや、ナイスなアシストじゃん」
思わず、賞賛の言葉が口を衝いて出る。
これなら、鉄球を躱す必要すらない。
安達が最短距離で、絶対等速の懐に入り込んだ時、既に拳銃はトンファーのように逆手に持ち替えられていた。
そして、絶対等速の顎に叩き込まれる、意識を刈り取る為の一撃。
絶対等速「がァっ!?」
安達「あの娘に免じて『悪滅』は勘弁してやるじゃん…………って、もう聴こえてないか」
もう一人の強盗犯と同じように白目を剥いて絶対等速は気を失っていた。
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