908:とある複製の妹達支援[saga]
2011/08/10(水) 17:05:37.66 ID:YxJ7gg6Ko
第七学区・某所
月詠小萌のアパートから、遠く離れたビルの屋上に一人の監視者がいた。
――魔術師の神裂火織である。
監視と言っても、その手に双眼鏡の類は握られていない。
8.0の圧倒的な視力を誇る彼女にしてみれば、両の目があれば事足りる。
神裂「…………」
少年少女達の様子を伺う、神裂の表情は厳しい。
しかし、一人の修道女に注がれた――その視線は悲しくも優しかった。
???「…………」
神裂「……大丈夫ですか、ステイル」
背後に気配を感じ神裂は、後ろを振り返らずに声をかける。
ステイル「ふん。日本の暑さにはウンザリしてたからね、これぐらいで丁度いいさ……」
盛大な負け惜しみを言いながら、煙草に火をつけようとする濡れ鼠が一匹。
ステイル「くそっ! 全部、湿気ってるじゃないか!?」ポイッ
神裂「いい機会ですから、禁煙でもしたらどうですか。
ただでさえ、魔力精製で激減している体力をさらに減らす必要もないでしょうに」
ステイル「禁煙? よしてくれ、想像しただけで死にたくなる。……それで、あの娘達の様子は?」
神裂「楽しそうですよ。……あの頃のように」
その言葉によって、ステイルの表情が動くことはない。少なくとも表面上は。
ステイル「……同伴者の身元は? 少女の方は確か、学園都市でもトップクラスの能力者だった筈だけど」
神裂「ええ。五行機関から事前に通達されていた人物の一人です」
ステイル「7人いるらしい超能力者の中で……学園都市で目立つ真似をすれば、高い確率で介入してくる可能性がある、って話だったね」
神裂「しかも、丁寧に『手出し無用』の忠告付きで情報を提供されました」
ステイル「……別に学園都市と戦争をしに来た訳じゃないからね……忠告通りに動くとしようか」
――時と場合によっては、その限りではないが。
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