過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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16:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/11(土) 00:52:16.12 ID:0K5Poxg0

「イケメンには既にお手付きなものですよ〜」
「他人事だと思って初春〜」
「いや、他人事ですし。それで、お目当ての王子様にはお相手がいるようですけどどうするんですか?」
「どうするって……」

「高校生で一人暮らししてて通い妻がいる。佐天さんはようやく中二に上がったばかりの子供。
相手にしてもらえるのか怪しいですよね〜相手がロリコンなら違うかもしれませんけど」

「うううぅ…わかってるよ、ガキって言われたもん」

意地の悪い事を言っているなぁと自覚しながら初春は渾身の微笑を浮かべる。
悶々として思い悩む佐天をいじる機会など滅多に無いのだ。いじらないはずが無い。

頭を抱えながら佐天は目の前のクリームソーダを睨む。
溶けたアイスがソーダの海にゆっくりと沈んでいく。

やがて話が終わったのか、一方通行達が席を立つ。ぴくりと佐天の肩が震える。
流石に見るに見かねたのか初春はそっと背を押してやることにする。

「でも佐天さん。お礼を言うんだったら相手がいようといまいと関係ないと思うんですけど?」

「え?」

「お礼を口実にしてアプローチをしろなんて言いませんけど、ただ向こうが一途に慕ってくれる女の子に心変わりしちゃう可能性はゼロではないと思うんですよ」
「そ、そんな。泥棒猫みたいな真似……」
「盗むのは良くないですけど、勝手に心変わりしちゃうのは不可抗力ですよね?」


邪笑。
この初春、実に汚い。実に狡い。実に悪い。だがしかし真理だ。
少なくとも今の佐天にとって、それは自己を正当化するに足る程の真理を秘めている。
決意の炎が親友の瞳に点るのを満足げに見つめる初春。一つ頷くと、佐天は席を立つ。
向かう先は白い少年だろう。





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