過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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171:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/15(水) 22:53:52.21 ID:plvK0H60

「わかンねェよ…」

伏せた瞳を二、三瞬きさせる。一方通行の長く整った睫がふるふると揺れる。
そうか、要は怖いのだ。
自分の抱く感情を拒まれることがではない。
自分の抱く感情が分けがわからずに、混乱している現状そのものが。
それはまるで途方に暮れた子供のようだ。


抱きしめてあげようかしら。

芳川はらしくもない考えを抱く。
黄泉川が時折一方通行を抱きしめていたのを目にしていたが、なるほど、そうかと納得が行く。

学園都市最強のレベル5、裏世界を闊歩する最凶の化け物。暴君。
勝手にへばりついてきたこれらの肩書きは真実である一方で、欺瞞に満ちている。

彼が時折覗かせる幼さや脆さ、臆病さや危うさを知るとそのことがわかる。

そんな時、あの母性の強い親友は堪えられずに抱きしめるのだろう。
我が子を抱く母のように。
そして、一方通行は口では憎まれ口を言いながらも身を委ねるのだ。

10歳にも満たない打ち止めにすら母性を感じさせる程に、一方通行は脆く儚い。

「ま、それならそれでいいわ。わかるまで悩みなさい」
「はァ?」
「どうせ貴方のことだもの。私がこれはこうよって説明したって素直に聞かないでしょう?だったら答えがわかるまで精々悩みなさい」

学園都市最高の頭脳なんでしょう?と芳川はウインクをよこす。
悩んでいる自分が、その悩みを芳川に相談しようと足を運んでいたことが、その事にようやく気付いたことが一方通行は無性に馬鹿馬鹿しくなった。

「チッ…役に立たねェ保護者だなァ」




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