過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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190:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/17(金) 04:25:35.80 ID:sSKFqUU0

初めて知る女の芳香に、一方通行は眩暈のようなものを覚える。
女は誰もがそうなのか、それとも芳川桔梗だからこうなのであろうか。
すん
誘蛾灯に誘われる蝶のように無意識に一方通行は芳川桔梗の首筋に鼻を寄せる。
自分を酔わそうとするこの果実のような香りが何処からするのかを探るように。
芳川の肌は触れる先から吸い付き、溶けるように熱い。まるで一方通行を捕らえるように彼女の肌全部が別の生き物のように絡みつく。
「く…」
思わず掠れた声が一方通行から零れる。
彼女の中に埋めた半身から電流のような刺激が一方通行から理性を削ぎ取っていく。
それでも、これが本能であるというように、一方通行の手は、舌は、唇は、動きを止めない。
白い骨ばった手が芳川の上を滑る。
「んんッ…」
芳川の抑えた口から、甘い疼きのような音色がぽつんと零れる。
彼女もまた余裕が無かったのだ。先天的なものなのか、相性の問題なのか。
芳川は初めてだという一方通行に徐々に翻弄され始めていることに戸惑う。
久しく味わっていなかった根源的な女としての悦びに、芳川桔梗の身体が戦慄き、喜びに震えていた。
「ア…一方通行…」
普段の彼女からは想像の出来ない甘ったれた声。一方通行の瞳に驚きと、嗜虐の光が灯る。
「なンだァ?らしくねェじゃねェか。芳川ァ…」
「くあ…ッ」
くくくと、虚勢交じりの笑い声が耳朶を擽る。同時に、より深く抉られた芳川は思わず身を反らせる。細い顎と、白くキメの細かい喉が露わになる。
かぷりと、悪戯心に誘われたかのように、一方通行の犬歯が、芳川の喉を甘噛みした。

芳川は一方通行の首にするりと腕を回すと、しがみつくように抱きしめる。
身体の奥、彼を迎え入れている自身の“中”からぶるりとした、余震のような痺れが彼女にそうさせた。
多くは無いものの、過去に識っている経験から芳川の身体は予感を覚えているのだ。
ちゅうっと、鬱血の痕を首筋に一方通行が刻む。
その痕をつぅーっと熱い舌がなぞる。
ぽたりと、雫が芳川の頬を伝う。
目尻から零れた彼女の涙と、彼女の上に乗る一方通行から落ちた彼の汗。
一瞬二人の瞳が交差した。

そして ―――



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