過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/23(木) 01:13:35.85 ID:Gj0DZH.0
もしかしたら、最初から自分は泣いていたのだろうか。
「言ったよな。俺はお前らを守るって。泣いてるお前を放っておけるかよ」
「………何だよ。カッコ付けやがって……糞野郎……くそ…」
そこまでが限界であった。
張り詰めていたものが切れたように、隈の浮かぶ番外個体の瞳に涙の膜が盛り上がる。
それは、あっけなく決壊し、キメの細かな少女の頬を塗らしていく。
「…わかってるの?この…糞モヤシ…あんなガキ…じゃ、駄目だよ。ここは……」
泣き顔を見られまいと、俯く。
長いシャンパンゴールドの髪の隙間を縫うように、小さな滴が零れ落ちていく。
一方通行に跨ったままの番外個体の涙が、一方通行の服を塗らして行く。
「ここは……ミサカの、ばしょだもん……いてイイのは…ミサ、カだけ、だもん……」
番外個体は、ぽすんと一方通行の肩に顔を埋める。
両手でしがみつくように一方通行の服を握る。
番外個体の女らしい柔らかなラインの華奢な背が震える。
声を殺して、嗚咽を上げる番外個体は、何処にでもいるか弱い少女だった。
少なくとも、一方通行にはそう思えた。
頬の痛みは既に引き、代わりに沸きあがるのは、この少女の側にいてやらなければならないという使命感。
一瞬の躊躇の後、一方通行はその背に腕をそっと回す。
ぴくりと一瞬だけ震えた番外個体は、一方通行を跳ね除けることをせずに、再び嗚咽を上げる。
一方通行は回した腕に力を込める。
細くしなやかな少女の肢体を壊してしまわぬように、傷つけてしまわぬように。
優しく、自分に出来る範囲で、可能な限り。
それは恋人にするような甘いものではなく、妹にするような慈しみや庇護欲に満ちていた。
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