過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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536:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/29(水) 01:15:24.82 ID:TW5Selw0

怒りと、憎悪と、苛立ちと、敵意と、殺意と、嫌悪を存分に秘めた声が夜の気配に溶けて行く。
声は低く、決して大きくは無いというのに、その声はどこまでも通っていくように、部屋の隅々にまで届く。
垣根の頬をぴりぴりとした細かな痛みが走る。まるで小さな針で顔を撫でられているような圧迫感。
「唐突にしゃしゃってきた悪役ってのはよォォ相場が決まってンだよ。小物かかませ犬かってなァァ……テメェの場合は両方か」
「オイオイ、随分じゃねぇか。まずは『情けないカス野郎の僕が調子に乗ってぶち殺してしまってどうもすみませんでした、カッコいい垣根様』って謝るのが先だろう?
学校で習わなかったのかよ第一位。悪いことをしたらまずは謝りなさいってな。常識だぜ?」
「常識?まさかテメェの口からそンな言葉が聞けるたァな。一度死んでちょっとばかりマシになったンじゃねェのかァ?クソメルヘン」
「じゃあ、お礼に今度は俺がお前をまともにしてやるよ。生き返る保証はねぇけどな」

くくくと、垣根は歪な笑みを浮かべる。
この語らいすら楽しくてならないようだ。
一方通行は鼻で笑う。

「安心しろ、こっから先は一方通行だ。テメェは黙って元いた場所に帰ンだな。まぁ……」

ちらりと、一方通行の視線が佐天に向けられる。
垣根に踏みつけられた少女の姿に、一方通行の目尻が微かに震える。
「……どの道テメェにの行く道はひとつだがなァ」
「何だ?もしかして、お前そうとう怒ってる?コイツを……」
佐天の背中を踏みつけた足を一度引き上げる。
「こうしたのをよ!!」
そして、勢いを付けてもう一度佐天の背に足を踏み下ろす。

「ッ!?」

垣根の靴底が剥き出しのコンクリートを踏みつける。僅かに見開いた目を、ゆっくりとめぐらせる。

「なんだよ…随分様になってるじゃねぇの、王子様役が。随分と人相の悪い王子様だけどな。ええ?一方通行」



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