過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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598:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2010/12/31(金) 01:38:48.55 ID:CbCB7h20

自分を守ろうと、震える足に力を込めて立ち上がる少女の背中は瞼の裏に焼き付いている。
心が震えた。感情のうねりに喉まで焼き尽くされたように熱くなった。
彼女に頬を撫でられた時、涙が溢れそうになった。自分の根幹を揺さ振るような衝撃に身体が痺れた。
自分の中のつまらぬ幻想の砕ける音が聞こえ、新たな自分だけの大切な現実が生まれた。

嘗て無敵を目指した男が、たった一人の無能力者の少女に、心から圧倒されたのだ。


自分は嘗て彼女に言った。羨ましいと。それは、上から目線の言葉ではない。
能力に縋るしかなかった自分とは違い、能力が無いくらいで落ち込める彼女への妬みがあった。
こんなにも眩しいというのに、一体何が不満なのだろうかと。

第三位と親友で、第二位に決然と立ち向かい、そして第一位の自分をこれほど翻弄する。
能力でただ野良犬のように牙を剥いていた自分よりも余程、


「お前のほォがよっぽど無敵だぜ?わかってやがるのか」


ツンツンと頬をつつく。


「………で、一体いつまでお前は寝たふりを続けてやがるンだァ?」



むにぃーっと佐天の頬を突然引っ張り始める。

少女の頭部が即座に跳ね上がる。



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