過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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71:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[sage]
2010/12/12(日) 02:03:11.76 ID:llRuvQc0

初春は佐天が深入りなどせずにさっさと切り上げざるを得なくなると予想していた。

しかし実際には異なった。
佐天の淹れた珈琲にすっかり気に入ってしまった彼は佐天が訪ねてくることを許容するようになってしまった。
もしくは、初春が気付かぬ『何か』に一方通行が魅かれて…そこまで考えて初春は思考を切り替える。
自分がアレコレ考えて結論の出る問題でもない。


「でも良かったですよね、一週間珈琲淹れる特訓した甲斐がありましたよ」
「ホント、ありがとう〜〜。初春には感謝してもしたりないよ〜〜」
「お礼なら寧ろ私達風紀委員の方が言わないといけませんってば。
佐天さんの珈琲が徹夜作業の唯一の慰めだっていう人多いんですから」

それから珈琲を淹れてくれる佐天さんの笑顔も、という言葉は言わない。
彼女の輝かんばかりの笑顔にこの一週間どれほどの風紀委員が使い物にならなくなったことか。
佐天が来ていないと途端にテンションだだ下がりの牙を抜かれた犬共の存在など露ほども知らずに、佐天はニコニコしている。

牙を抜かれた男共は、更には佐天がたった一人の男の為に美味しい珈琲の淹れ方を練習していたという事実を知ってから牙どころか去勢された犬に成り下がった。

奴等は既に駄犬だ。べりーしっと。初春は心の中で敗北主義者に舌打ちを見舞う。
佐天は先ほどからちらちらと時計を見ているが、今日もそろそろというわけであろうか。


「おや、もうこんな時間だ。あんまり長居すると迷惑になっちゃうから私は帰るね初春。また来週学校で」

長居しすぎて迷惑だなどと言ったことも無いくせに、最近はすっかり夕方には引き上げていく佐天。
彼女の向かう先などわかっている。タイムセールがあるのだろう。
そして向かう先は恩人の部屋。

「やれやれだなぁ」

初春は気晴らしに雑務を放り投げPSPのスイッチを入れる。
もう狩るしかねぇってばよ、得意の片手剣が今日も唸る。


この後帰ってきた白井に大目玉を食らうのは15分後の話である。
ドンマイ、初春。





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