過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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770:貧乏螺子 ◆d85emWeMgI[saga]
2011/01/09(日) 00:49:42.01 ID:eAcK7RE0

佐天にはよくわかる。

何故ならそんなもの自分とて同じ。この数ヶ月一体何度自室で転がったというのだろうか。
一体何度お隣さんに壁パンチされたことだろうか。
まゆたんだったりましんたんだったり、シチュエーションは毎回違うもののヒロインは自分、相手はいつも一方通行。
彼はどうにも自分を子供扱いしているが、自分だって色々耐えられないものがある。
一方通行は何処か幻想を抱いているところが見受けられるが、女の子とて性衝動に苦しむ。
好きな男の子の事をアレコレ考えて悶えたり、興奮したりするのだ。
辛抱堪らんことなど腐るほどある。持て余すのだ。
だからこそ多少大胆にスキンシップを取ったりしているのだ。
今日の夕飯だってスッポン鍋だったのだ。そういうさり気無いアプローチしか出来ない自分の奥手さに歯噛みする。
折角今日は上下キチンとそろえてきたというのに。洗濯が溜まるとよく上下を合わせるのが面倒になるのだが、今日は万全だ。

というか、いつだって此処に来るときは覚悟完了なのだ!

いつだってカマンなのだ!!

今日もばっちり危険日なのだ!!!


「バカ…」


何をまごついているのだ。
いつになったら彼は色々な枷とかモラルとか常識とかを打ち破ってくれるのだろうか。
佐天は頬が熱を帯びていることを自覚する。

自分はもうすっかりと彼の嫁のつもりなのだから、拒んだりしないのだから。

佐天は、ひとつ熱い溜息を吐く。
待ち遠しさと、もどかしさと、期待、そして不安と好奇心が織り交じった、恋する少女特有の溜息。
複雑かつ矛盾だらけの想いの篭った熱い溜息だ。




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