過去ログ - 御坂旅掛「世界に足りないものはなーんだ?」
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9:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage]
2010/05/26(水) 21:05:10.35 ID:jc0ANV20

ニコニコと本当に嬉しそうに笑いかけてくる旅掛。
父親……か、と一九九九九号は思う。
初めて向けられる感情が籠もった視線に、背筋がムズ痒くなりながらも温かさを感じてしまう。
同時に、ジクリと申し訳なさも胸の奥底から沸いてくる。


「それでどのような目的でミサカをここに連れ込んだのでしょうか、とミサカは本題に斬り込みます」

「もちろん理由ならある。だけど物事には順番があってね? 先にこちらを楽しんでも罰は当たらないじゃないかな?」


示されたのはテーブルの上に広がった美味しそうな料理。
確かに食べなければ勿体無い。
下手な遠慮は奢ってくれるという旅掛に失礼だし、作ってくれたショフにも申し訳ない。っていうかここで食わずして、
いつ食べるというのか。今後このような機会に恵まれる可能性は限りなく低いではないか。
ならばミサカが取るべき行動は――、


「その言葉にミサカは甘えます、と鎖に繋がれた獣が解き放たれたかのようにいただきますと唱和します」

「テーブルマナーなんて気にしないでいいぞ。ここのオーナーには少し顔が利くからねお父さんは。では、いただきます」


何かナイフやフォークが何種類もあったり、本来なら順番に運ばれてくるはずの品々がドンッ、と全品構えてたりするのだが、
そんな違和感は一九九九九号にとっては些細な事情だった。
だってすっごく美味しいし。
旅掛もグラスに唇を這わせ赤々とした液体を喉に通しながら、笑みを浮かべている。

少し複雑な縁を持つ、親子水入らずの楽しい楽しいお食事会が始まった。




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