過去ログ - アレイスター「超能力者達にバンドを組ませる――『最終計画』だ」土御門「」
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899:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sagasage]
2010/11/02(火) 20:18:35.63 ID:7KjWNL60


 時計を少し巻き戻すとしよう。

 超能力者達がとある合宿を始めて二日目の朝、カップラーメンを食されたことに腹を立てた削板軍覇は合宿所である廃病院からの脱走を試み、とりあえず成功していた。
 もっとも、厳密に言えばプロデューサーである土御門元春が事前にメンバーに渡していた合宿専用のジャージには超小型発信機が取り付けられており、
 脱走を企てたところでジャージを着ているかぎり、彼らが最終計画から逃れることは不可能である。
 だが、少なくとも削板は完全に逃げおおせたと思っていたので、彼の顔を立ててまあそういうことにしておこう。

 そして、廃病院を後にした削板と偶然出会ったのが補完計画を任されている芳川一行であった。
 奇遇といえば奇遇だが、そもそも十九学区に用事のある人間こそ珍しいという点を考慮してみれば、必然であったかもしれない。

「……よく食うなあ、お前」

 がつがつがつと勢いよくチャーハンをかっ込む削板に、呆れた声を投げたのは浜面仕上だった。
 なんだかんだで芳川一行はプロデューサーである芳川桔梗を除いて皆常識人であり、どちらかといえばツッコミ属性に偏りがちなのだが、今回は浜面がつっこんでみたようだ。

「ふぐ? はは、ほほははいほふはんはははは」

「何を言っているのかわからないわね。とりあえず食べながら喋るのはやめなさい」

 芳川がぴしゃりと削板を叱る。
 自堕落な彼女が誰かを叱責したことに動揺した上条当麻が目を丸くして芳川を見つめたが、彼女は視線を意に介すことなく悠々とコーヒーを飲み下す。
 どこまでもマイペースな女である。

 ここは十九学区に点在しているマンションのひとつであり、そのうちのもっとも広そうな部屋に集まっている六人は、それぞれフローリングに座り込みながらも誰かが話し出すのを待っている状態だ。
 誰か、とはイコールで芳川なのだが。

(第七位の超能力者、原石の削板軍覇――なぜ彼がこんな僻地にいるのかしら)

 結標淡希は見る見るうちに減っていくチャーハンと削板を交互に見つめながら、思考を進める。
 以前の集会で彼女が打ち立てた補完計画、および最終計画の実態に対する推測が正しいとすれば、削板軍覇のいるこの十九学区にはほかの超能力者もいるはずだ。




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