過去ログ - アレイスター「超能力者達にバンドを組ませる――『最終計画』だ」土御門「」
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930:以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sagasage]
2010/11/26(金) 15:59:21.85 ID:oFda1UE0

 さて。廃マンションをどうにかうまいことスタジオ風に仕上げた芳川一行(ただし芳川除く)だが、あるひとつの問題が浮上していた。
 それは、イレギュラーともいうべき削板軍覇の存在――ではなく、もっと根本的な問題である。

「……曲が、ないじゃない」

 超能力者達同様、彼らの目的もまたメジャーデビューだ。
 そして、芳川はとくに明言していなかったものの、今回の合宿で曲をある程度完成させるつもりであることは疑いようがなかった。
 舞台は整っているというのに、肝心の曲がまったくない。この場合の「まったくない」とは、イコールで「まだ作ってすらいません」という意味である。
 結標の半ば呆然と吐き出された言葉は、一同の胸に重く圧し掛かった(ただし芳川除く)。
 曲がないなら、いったい何の練習をしろというのだろう。
 この点において、最終計画の責任者たる土御門はやはり手際が良かったといえる。

「ん? キミたち、誰も作ってないのかしら」

「あんた何も言ってねえだろ!」

 不思議そうに小首をかしげた芳川に鋭いツッコミをかました浜面は、わざとらしく深いため息を吐いた。
 そもそも彼はなんとなくなりゆきで参加しているものの、別段そこまでドラムが得意なわけではない。まあそりゃ叩けるっちゃ叩けるけど、という程度だ。
 上条も同じくため息を吐き出す。
 彼に至っては、つい最近友人からアコースティックギターを受け取りなんとか形になってきた、つまり初心者と中級者の中間レベルである。
 いきなり楽器隊扱いをされ、しかも持ったことのないエレキギターを手渡され、どこをいじればいいのかよくわからなかった上条はすでに最初の支給品を持ち前の不幸っぷりで壊してしまっている。

「あらあらまあまあ……どなた様も頼りないですのね」

 と、ここで意味ありげな顔をしつつ周囲を見渡した白井である。
 彼女は口元の笑みを深めると、「作曲程度なら嗜んでおりましてよ」といかにもお嬢様らしく付け足した。
 おお、と男性陣から声があがる。結標は数秒きょとんと白井を見つめていたが、すぐに芳川を見やった。
 先ほどから無責任っぷりを存分に披露しているプロデューサーは、普段通りのおだやかな表情で微笑んでいる。
 微笑む場面ではない、と結標は心中でつっこんだ。




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