過去ログ - とある夏雲の座標殺し(ブルーブラッド)
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2:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします
2011/01/07(金) 00:02:40.50 ID:afA5KsAO
結標「――貴女、名前は?」

姫神「――秋沙。姫神秋沙。貴女は?」

結標「――淡希、結標淡希」

姫神「淡い希(のぞみ)だなんて。幸が薄そう」

結標「秋(あい)の沙(すな)だなんて不毛な名前よりマシよ」

小夜時雨が降りしきる夜に、私が居候している部屋に駆け込んで来た一人の少女。

何でも、彼女もかつて月詠小萌を家主としたこの部屋に転がり込んで来たらしい。言わば居候の先輩である。

名乗り合った後は、お定まりの自己紹介。聞けば彼女は私より一つ年下で、特別留学扱いとして籍だけ置いている霧ヶ丘女学院に通っていたらしい事もわかった。つまり私の後輩に当たる。

姫神「雨が止んだら。寮に帰るから」

結標「好きにしたら?私だって居候なんだし、元々貴女の方が先輩なんでしょう?小萌だってそろそろ帰って来るでしょうし、ゆっくりしていったら?」

ゴシゴシと手渡したタオルで墨黒を流したような艶やかな髪を拭く。
その煉乳を溶かし込んだような肌と、この上なく整っていながら表情というものに乏しい横顔を私は卓袱台に頬杖をつきながら見やった。

結標「(変わった娘ね…この娘といい私といい、変わり者ばっかり拾って来るあんたも相当変わってるわよ、小萌)」

目を切って閉ざした瞼に浮かぶのは年齢不詳はおろか歩く年齢詐称とも言うべき家主の姿。
今日もあの小さな身体で生徒のために駆け回っているのだろうななどと思う。
学校には『窓のないビル』の『案内人』を務めてより通っていない。
もし小萌のような教師が担任だったならそれはそれで退屈しないだろうなとも。


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