過去ログ - オッレルス「わが家へようこそ!」
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546:>>1[saga]
2011/02/09(水) 21:07:57.74 ID:yw3ca6GT0

本当に、ずるい。
その質問で、彼女がどれだけ傷つくかはわかっているはずなのに。
結局、自分は自分自身の手を汚すのが怖いのだ。
だから、今もこうして死んだ妹達が生き返る望みを断つことの責任から逃れようとしている。

『……確かに、そうかもしれない』

御坂美琴が肯定する。
そうだろう。
彼女は元来優しい上に、妹達はクローンとはいえ、彼女にとても近い存在なのだから。

『―――あの子たちには、結局、私は何もしてあげられてない』

『それに、あの子たちは生きるってことがどういうことかすらわからないまま死んでしまった』

『もう一回、この世界で生きて、楽しいことも、悲しいことももっと知ってほしい』

『だから、あの子たちを生き返らせたくない、なんてのは冗談でも言えることじゃない』

そう言う彼女の目は潤んで、声は、震えていた。
それを見て、聞いて、少しだけ後悔の念が湧く。
そして、少しだけしかその思いがわかないことに、自分の冷たさを実感した。
彼女は、でも、という。
苦しみながらも、自分の想いを否定しようとする。



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