過去ログ - キョン「お前まさか……ハルヒの事が好きなのか?」
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44:1 ◆pTqMLhEhmY[saga ]
2010/06/15(火) 16:22:34.64 ID:jAZ5mHMo
「懸念事項はもう一つある」

長門はいつもの無表情に戻り言う。

「この地域に、『対象の理性を極端に抑え、本能や欲望を優先し、行動させる』事が出来る能力を持った者が存在し」
「意図は不明であるけれど、能力を使用して多くの人間――新川や貴方のような――を、どうしようもないボンクラにしている事は事実」

俺はともかく、新川さんの変貌は……恐らくその超能力者の仕業だろうな。

「問題は、涼宮ハルヒの存在」
「もし、その能力者が、涼宮ハルヒに力を行使したら」

そういえば、古泉が以前、言っていたな。

『涼宮さんは、ああ見えて常識人です。意外に思われるかもしれませんが、とても理性的な方なのですよ』

……言ってたっけ? 多分、そんな感じの事だったはず。あれ? やっぱり言ってなかったか?
というか……古泉って誰だっけ? 古畑なら知ってるんだが。任三郎。今度DVDレンタルして通して観てみよう。
昔のドラマだから安いだろう。

思考の深みにはまりかけた俺の意識を、長門の言葉が現実へと引き戻した。

「涼宮ハルヒから理性が失われた場合。彼女の深層意識によって暴走した『力』が引き起こす現象により、この世界は終わる」

そうか。またしても、世界の危機ってやつか。
超能力犯罪者にしろハルヒにしろ、どっちも厄介な相手だなこりゃ。

「なあ。この二日間で長門さんから聞いたんだが、その涼宮ハルヒってのは、本当にそんな『力』を持ってるのか?」

まあ、ウニが信じられんのも無理は無い。俺でさえ、今だ半信半疑なところはあるからな。
だけど、その『力』のおかげで毎度毎度、とんでもない事が起きて、それに俺は巻き込まれているんだよ。

「どんな非常識なことでも思ったことを実現させる『力』……。本当だとしたら、まるで神様そのものなんだよ?」

そうですね、インデックスさん。
あいつはとても厄介で、最強最悪な神様だと言えます。本人が自覚してないだけに、更に始末に負えない。

だけど。
どんな大きな力を持っていようが、性格が歪んでようが。
ハルヒは、泣いたり笑ったり、怒ったり悲しんだりする一人の女の子なんだ。
世界がどうのなんて正直、俺の知った事じゃない。
一人の人間として、守ってやりたい。ただそれだけだ。

お、今の俺、格好良くね? 長門、携帯で動画撮っといてくれた?

「ばっちり撮れた。安心して」

俺はメイド服の裾を持ち上げて、にっこりと微笑んだ。
何故か二人は汚物を見るような目で俺を見ていた。


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