過去ログ - アルル「ボクは元の世界に戻りたいんだ」 禁書目録「魔導師……?」
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220: ◆jCmkp0hZEA[sage]
2011/01/01(正月) 13:17:10.60 ID:F0XbHjg0
そんな土御門とアルルが「向こう」を思っている頃。
少女の懸念する最悪の事態は案外あっさりと回避されていた。




人通りの少ない、……要するに裏の世界との繋がりも少なくはない、第十学区のとある通りにて。


学園都市第一位の超能力者と、超能力者に最も近い大能力者とすら評価される最大の空間転移系の能力者。
以前は敵対する仲ではあったものの、何かあれば互いに全力を引き出しあい捕まえにかかる覚悟でいた。

一方通行はビルの隙間に身を隠しつつ、耳に全神経を集中させ、チョーカーから指を離さずにいる。
結標は能力を見せびらかすことなく、ひとり例の緑の髪をもつ長身の男に近づいていく。
よくよく見るとワゴン車の中で写真に見た角らしきものはそのまま角だった。
内心で結標は何やってるんだコイツ、となんとなく生温い気分になる。
結論から言うと角は本物なのだが、学園都市の常識から判断している結標には痛いようにしか見えないらしい。


近づいてくる彼女に気付いた男が、ふとそちらに首を向ける。
おかしな見た目にも関わらず異様な威圧感を纏う男だ。
血のように真っ赤な瞳と目が合い、結標は微かに唇を歪める。
9月のあの真夜中、絶望にも聞こえる杖の音を響かせながら笑って自分を殴り飛ばした超能力者が重なった。

ああ、やだもうムカつく。本人にも声が出たかどうかわからないくらい小さな声で、結標は小さく呟いた。


結標「学園都市のトップが貴方を呼んでいるから、来ていただきたいのだけど」


男は、雰囲気を一転させおおわかったぞと驚くほどあっさりと了承した。
無意識に警戒していた結標の緊張が一気に解けていく。

お前もこの町の人間か?ほう、学園都市というのか!ところで愛しのカーバンクルちゃんとアルルはどこだ?
今まで誰とも話相手になってくれる人に合わなかったのだろう、想定外のマシンガントークが飛んでくる。
若干引きながらも話を流して流して、ふと後ろを見る。
ビルの陰に隠れていた一方通行も呆れかえった顔をひょこりと出していた。

どうやらこの男は見た目以上になかなかの変人らしい。


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