過去ログ - アルル「ボクは元の世界に戻りたいんだ」 禁書目録「魔導師……?」
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277: ◆kQbqnex3XI[sage saga]
2011/03/13(日) 17:11:26.75 ID:ZQTtuwlZ0
彼はどうやら先日の抗争で壊滅した組織の下っ端らしい。
もう少し情報を貰っておこうと男は暗部の溜まり場に単身で突っ込んでいたのだが、結果は明らかである。
ひっそりと生活していたと思われる、廃れたホテルのような一室は破壊の限りを尽くされていた。


男「なんだ、もう起きたのか」

視線を向けず、どうでもよさそうに男は軽く手を振る。
途端にその手に氷の塊が集い、意識を取り戻したばかりの少年に襲いかかった。

少年「ぐ、うあああああああああああああああ」

男「早く口を割らないと凍傷で死ぬぞ」

四肢を凍らされて動けない少年は、冷酷な裏に見える救いの手を見た。
「口を割ったら溶かしてやる」、その言葉に乗せられた少年は苦痛に顔をゆがめながら、喘ぎ喘ぎ言葉を紡いだ。

少年「ぁぐ、あ、言うから……! だから早くコイツを」

男「溶かすのは聞いた後だ」



情報を右から左へ聞き流しながら、男は溜息を吐いた。
「スクール」とやらの残党であることを期待していたのだが、残念ながら彼の所属は「ブロック」らしい。

もういい、と男は遮る。
すると一筋の光が見えたかのように、涙まみれの顔を期待に輝かせながら少年は言った。

少年「ぁ、いい、のか……。……なら、早くコイツを!」

男「だから眠れ」

少年の体に、虚空から熱湯が降り注ぐ。再び叫び声が響き渡ったが、それは数秒ですぐに途絶えた。
申し訳程度に顔に直撃させるのは避けたが、意識を取り戻してもしばらくはまともに動かないだろう。
凍傷か火傷か、どちらが重症になるんだろうなと男は適当に考えた。





男「シェゾ・ウィグィィに対してのその行動は正解だが、しかし――」

瞳を細めて、決して穏やかとは言えない笑みを浮かべる。
彼は、額のバンダナを脱ぎ捨てて、壊れた一室から転移した。


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