過去ログ - アルル「ボクは元の世界に戻りたいんだ」 禁書目録「魔導師……?」
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30: ◆BOdpUfAi3.[sage]
2010/09/05(日) 07:16:32.79 ID:X7G4s7g0
そんな黒子の様子をわかったのかわかっていないのか、アルルは話題を逸らした。
行き先の斜め右前を指差して二人に尋ねる。

アルル「あそこに見えるひときわ高い建物は何?」

固法「セブンスミスト。ここら一帯ではかなり大きなデパートね」

アルル「でぱーと??塔とは別だよね」

固法「店がいくつも一つの建物の中に入っているものをデパートと言うんだけど……あなたの世界にはなかったの?」

アルル「ん、買い物はほとんど商店街だったかな。ダンジョンの中にもお店はあるけど」

黒子「ダンジョン?」

アルル「遺跡とか洞窟とかのこと。モンスターが棲みついてて、襲ってくるときもあるんだけどね」

さらっと恐ろしいことを説明する彼女に、黒子は思わず歩みが止まりそうになった。



ただでさえ短距離の道のりを会話しながら歩くと本当にあっという間についてしまい、公園のベンチにアルルはリュックをおろす。
もう着いちゃったのか、と彼女は残念そうに呟きながら、大きく身体を伸ばした。

一面野原のこの場所なら問題ないかな、とアルルは思う。黒子は出発する前に自分はかなり優秀なほうのテレポーターだと自負しているから遠慮はせずにどうぞと言っていた。
転移の優秀さは、前の世界にいたアルルも知っている。手で触れてという条件付きとはいえ、自分以外も動かせるならなおさらだ。
きっと大きいものを相手の近くに転移させて動きを封じることもできるし、鋭いものを自分の身体に転移させてダメージを与えることもできる。

アルル(…けど、せっかくの親善試合だもんね。あっけなく負けはしないよ!)

心の中でそう意志表明をしている……はずだったアルルだが、実際にこぶしをぎゅっとにぎっているから周りに感情がバレている。
その様子を黒子は見やって、こちらも負けはしませんわと心の中でそっとメッセージを送る。

さて始めようといったところで、アルルと黒子は試合を始めるタイミングをなかなかつかめない。じゃあ始めようかと言ってもすこし照れくさくて、つい始めづらいのだ。


固法(アルルさんの正体がどうこう抜きに、二人ともすっかり仲良しじゃない)

そんな二人をすこし離れた場所から見つめていた固法は、小さく笑った。
私が合図をしましょう、と声を掛けると、待ってましたと言わんばかりのきらきらとした視線に若干気圧される。


固法「じゃあ行くわよ……試合開始!」


アルルと黒子はようやく同時に動き出すことができた。


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