過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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120: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/11/18(木) 01:42:10.86 ID:4wteoHEo
一方、美琴に見つからないように培養器の物陰に隠れている銀色の松葉杖の少年とスーパーのビニール袋を持った少年(死にかけ)は、
最早はらはらしながらそんな彼女たちの様子を見守ることしかできなかった。
どうでも良いが、死にかけている方の少年は美琴と紙一重の差でここに辿り着くことができたらしい。

「言わンこっちゃねェ。それにしてもアイツのアレ、本気だったのか……」

「ぜえっ、ぜえ……、こ、これどうするんだ? なんか御坂妹、本気で落ち込んでるみたいだぞ。て言うかアレって何だ?」

「アレだろ、RPGの魔王みてェに『ミサカがお前のクローンだ』って言いたかったンだろ。よく見ろ、セットもそれっぽいから」

「うお、本当だ。ここの明かり、この間来たときは蛍光灯だったのに松明みたいになってる」

「意味分かンねェよな、何処から来るンだよその情熱は。つゥか、計画してた演出が成功したらしたで収拾がつかなくなってた気もするが」

「確かにそれはそうなんだが……。って、そうじゃなくて御坂妹のアレは大丈夫なのか?」

「俺に訊かれてもなァ。流石にこれはどォしよォもねェだろ。
 御坂がいる以上俺たちは直接手出しできねェし、アイツが自力で立ち直るか、御坂が上手いこと立ち直らせてくれりゃァ良いンだが」

見ている方はもどかしくて仕方がないが、今ここで自分たちが美琴の前に姿を現したところで、余計に事態をややこしくするだけだ。
本当は手を出したいのは山々なのだが、ここはぐっと堪えて傍観していることしかできない。
一方、傍観されている方の二人は先程から動きが無いが、美琴が頑張って慰めようとしているのはここからでも何となく分かる。

「そ、その……、良かったら話聞くけど……」

「……お姉様に話しても詮無きことです。お姉様の為に準備していた演出だったのですから、それをお姉様に話しても虚しいだけです。
 強いて言えば、お姉様がミサカの頭を撫でてくれたらちょっとは元気が出るかもしれません、とミサカはさり気なく要求してみます」

「へ? 頭撫でて欲しいの?」

思わぬ要求に美琴は目を丸くしたが、彼女は御坂妹の目の前にしゃがみ込むとその頭をわしゃわしゃと撫でてやった。
御坂妹は望み通りに頭を撫でてもらってもなかなか動いてくれなかったが、根気強く頭を撫で続けていると漸く顔を上げてくれた。

「……ありがとうございます。少し立ち直れました、とミサカはお姉様に感謝します」

「う、うん、それは別に良いんだけど……。えーと、アンタは私のクローンなのよね?」

漸く立ち直ってくれたらしい御坂妹に、美琴は早速気になっていたことを尋ねてみる。
しかし当の御坂妹は、首を傾げて不審そうな表情を浮かべた。

「その通りですが、見て分かりませんか? とミサカはオリジナルの視力を心配してみます」

「いや、そりゃ確かに鏡で写したみたいに瓜二つだけどさ……、やっぱり一応確認と言うか……」

「なるほど、一種の現実逃避と言うわけですね、とミサカは一人納得します。
 まあお姉様が現在置かれている悲惨な状況を考えればその気持ちも理解できますが、とミサカは意味深な発言をします」

「へ? それってどういう……」


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