過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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123: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/11/18(木) 01:43:52.15 ID:4wteoHEo
「……ただし、まだアンタに心を許したわけじゃないからね。まだアンタが私を騙そうとしていないとは言い切れないんだから」

「まあそう言うだろうとは思っていました。
 と言うか正直そんなことはどうでも良いのですが、お姉様は優等生でしょうから夜の学園都市などよく分からないですよね?
 ミサカが案内しますのでついて来てください、とミサカはお姉様の手をぐいぐい引っ張ります」

「ちょ、ちょっと待って。そう言えば、そもそもこの学生の街にこんな時間に遊ぶ場所なんて……」

「ですからミサカが案内します、とミサカは更にお姉様を急かします」

御坂妹は半ば無理矢理美琴を部屋の最深部まで連れて来ると、床を横にスライドさせて下階へと続く隠し階段を出現させた。
ちなみにこの先は隠しエレベーターのある小部屋に続いていて、ここから外に脱出できるようになっている。
一方、物陰に隠れて二人が去って行く様子を見守っていた二人の少年は、御坂妹たちの気配が完全に消えたのを確認すると漸く姿を現した。

「……意外と上手く行くモンなンだなァ」

「割りと結果オーライというか、賭けだったけどな。終わり良ければすべて良しだ。
 それはそうと、俺たちはこれからどうすんだ? やっぱあの二人を追いかけんのか?」

「いや、あの様子ならもォ大丈夫だろ。むしろ、姉妹水入らずで居させてやった方がイイだろォな」

「それもそっか。いやあ、それにしても良かった良かった。一時はどうなることかと思ったけど」

「まったくだ」

最初に美琴がクローンを完全に拒絶した時はもう駄目だと思ったものだが、よく考えればあれも彼女なりのツンデレだったのだろうか。
そんなどうでも良いことを考えていると、不意に上条が何かを思い出したかのような声を上げた。

「そういえばお前、また無断で病院抜け出したんだって? カエル先生怒ってたぞ」

「冥土帰しがァ? 怖くねェよ、別に」

「いやいや、ああいう普段は温厚なタイプの方が怒らせると怖いんだって。お前のことベッドに縛り付けようかみたいなこと言ってたし」

「……、次からはもっと上手くやる」

「いやだから素直に外出届を出しなさい! 心配するから!」

一方通行はそんな上条の説教を完全に無視すると、すたすたと御坂妹たちが使ったのとは別のエレベータの方へと歩いて行ってしまう。
しかし一方通行の後を追いかけながら、上条は引き続きくどくどと説教を続けていた。


そうして少年たちは帰路につき、彼らの波乱に満ちた夜は終わりを迎えた。
けれど少女たちの夜は、まだまだ始まったばかりだ。





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