過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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132: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/11/20(土) 21:22:07.00 ID:paIcwrUo
キキッという音と共に、一台のバイクがとある道路に停車する。
バイクに乗っているのは二人の少女。
その内の一人、バイクの後ろに乗っていた方の少女は素早くバイクから降りると、すぐさまヘルメットを外して運転手の少女に詰め寄った。

「ちょ、ちょっと。なんか流されてここまで来ちゃったけど、アンタバイクの免許なんか持ってるの?」

「持っていませんが。技術があれば十分なのでは? とミサカは個人的な見解を述べてみます」

「いや駄目でしょ……、はあ。もう良いわ」

御坂妹の言葉に、美琴は観念したように深く溜め息をついた。
しかし御坂妹はどうして美琴がこんなに疲れた顔をしているのかがよく分かっていないのか、ちょこんと首を傾げている。
そしてその天然っぷりが、更なる美琴の頭痛の種となっていた。

「そんなことより、こんなところに連れてきてどうしようってのよ。遊ぶところなんかあるの?」

「おや、やはりお姉様はご存じありませんでしたか。
 意外と知られていないのですが、ここはなかなか健全に遊ぶことのできる場所ですよ、とミサカはミサカの知識の広さをアピールします」

第二十二学区。学園都市で最も面積の狭いこの学区は、その為なのか地下街が非常によく発達している。
そこには昔ながらの銭湯から天然ものの温泉、
スパリゾートまで様々な温泉施設が立ち並んでおり、しかもアミューズメント施設とも合体していた。

そんな第二十二学区には、未だに学生たちがちらほらと行き交っていた。
もちろん、完全下校時刻などもうとっくに過ぎてしまっているのにも関わらず、だ。

と言っても、別に彼らが不良という訳ではない。彼らは住んでいる寮にある風呂が壊れてしまったり、そもそも寮に風呂が無かったり
といった事情があってここに風呂に入りに来ている、普通の学生たちだ。
そんな訳で、この温泉街ではこの時間でもまだ学生向けの様々な施設が開かれているのだった。
ただしそれを知っているのはここの銭湯に用がある学生や、学園都市では圧倒的に少数派である大人たちくらいのものなので、
客足はそんなに芳しくなさそうなのだが。

「と、いうわけなのです。お分かり頂けましたか? とミサカはお姉様に確認を取ります」

「ふうん、こんな場所があったのね。確かに私には縁が無いし、知らなかったわ。
 まあ、ウチの寮は門限あるしお風呂もちゃんとしたのがあるから、ここに来るのはこれっきりだろうけど。
 遊びに行くだけなら第七学区や第六学区で十分だし、わざわざ外出届を提出してまで来るようなところじゃないしね」

「そうですか、それは残念です。お姉様はゲコ太がお好きとのことでしたので、
 ポイントを貯めると限定ゲコ太ストラップが貰える温泉をお勧めしようと思っていたのですが、とミサカは……おや?」

話の途中で、突然御坂妹が間抜けな声を上げた。ちょっと目を離した隙に、いつの間にか美琴が居なくなっていたのだ。
美琴の姿を探してきょろきょろと周囲を見回してみれば、いつの間にか美琴がすたすたと温泉街へと歩いて行っているのが見えた。


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