過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2010/12/11(土) 21:03:20.97 ID:gv3XuLoo
一方通行は、日の暮れかけている第七学区の裏通りを歩いていた。
裏通りにはあまり良い思い出が無いのでできる限りここを通りたくなかったのだが、冥土帰しの言っていた研究所はこの裏路地を
ずっと行ったところにあるのでどうしてもここを通らざるを得なかったのだ。
この辺りには他にもいくつもの研究所があるのでこうした裏路地であっても意外と人が通るからなのか、不良の姿は見当たらない。
いざとなったら能力で追い払えばいいのだが、使用時間に制限があるので乱用は禁物だ。
冥土帰しいわく、30分以上無理に能力を使用してしまったら間違いなく気絶してしまうほどの頭痛が襲ってくるらしい。
しかも、頭痛自体は15分経過辺りから始まるらしいので実際の使用可能時間はもっと短いのだ。
(……っと、ここか?)
封筒と手書きの地図を片手に裏路地を歩いていた一方通行は、とある建物の前で立ち止まる。
施設の名称は蘭学医療研究所。地図にある名前と同一だ。
一方通行は入口にあるガードマンの詰め所へと歩いて行くと、そこでテレビを見て休憩していた所員に声を掛ける。
「どォも。冥土帰しの使いで来たンだが、取り次いで貰えるか?」
「はいはい、話は聞いてますよ。どうぞ」
すると、所員はパネルを操作してあっさりと入口を開けてくれた。
一方通行は一応礼を言いながら研究所に入って行くと、既にそこで待ち構えていたらしい研究員に迎えられる。
「これが封筒。薬と交換って聞いたンだが」
「ああ、これが薬だ。お疲れ様」
言いながら、研究員は後ろに控えさせていた部下から大きな紙袋を受け取った。
この紙袋の中に薬が入っているらしい。
一方通行はさっそく紙袋を受け取ろうとして手を出すが、しかし研究員は紙袋を手に持ったまま動かない。
いつまで経っても紙袋を渡してくれない研究員に、一方通行は訝しげな表情をしながら研究員の顔を見上げてみる。
すると、研究員は何故か彼の顔を凝視したまま固まってしまっていた。視線まで固定されている。
「……? なンだ? 俺の顔に何か付いてるか?」
すると研究員ははっと我に返り、慌てて落ちそうになっていた紙袋を持ちなおす。
そして手に持っていた紙袋を一方通行に手渡すと、まるで何事も無かったかのように言葉を続けた。
「いや、すまないね。なんでもないよ。ところで、そうして帽子を被っているんだい?」
「? 悪ィ、研究所でこれは駄目だったか」
そう言えば、何かの本で室内で帽子を被るのは行儀が悪いとか人に挨拶するときには帽子は脱げだとか書かれていた気がする。
この研究員はそのことを言っているのだと思った一方通行は、素直にキャップ帽を脱いだ。
白い髪と赤い瞳が露わになるが、一方通行はにこにこと人の良さそうな笑顔を浮かべている研究員を特に警戒しなかった。
「……、いや、そんなことはないよ。気にしないでくれ。そんなことより、暗くなると危ないから早く帰った方が良い」
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