過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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226: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/12/11(土) 21:05:22.69 ID:gv3XuLoo

もうもうと爆炎が立ち上り、黒い煙があたりを覆い尽くす。
これは僥倖とばかりに、一方通行は煙幕に紛れて駆動鎧を撒いてしまおうとした、が。
駆動鎧は煙幕などものともせず、再び一方通行に向かって何発もの砲弾を放ってきた。

(チッ。高性能センサーでも付いてンのか?)

砲弾はひとつも一方通行には当たらず、彼の足元に着弾する。
足元で大爆発が起こるが、爆炎も爆風も衝撃波も、すべて彼の『反射』に阻まれて彼の体に届くことはない。
だが、しかし。

(……ッ!?)

頭を殴られたかのような衝撃が走り、一瞬で意識が持って行かれそうになる。
辛うじて能力を行使しなんとか意識を保つが、それだけだった。意識を保つことしかできなかったのだ。

(酸、素が……?)

走るどころか立っていることも出来なくなり、一方通行は走っていた勢いのまま無様に地面に叩き付けられる。
複数の砲弾、いや爆弾が至近距離で炸裂したことにより、一瞬で空気中の酸素が奪われてしまったのだ。
それでも何とか立ち上がろうと腕に力を込めるが、何とか半身を起こすことが出来ただけで、とてもではないが立ち上がれそうになどない。

まともに頭が働かない所為で、身体強化にまで能力を割くことができないのだ。
しかもこれではすぐに酸素が足りなくなってすべての能力が使えなくなり、意識さえ保つことができなくなってしまう。

ぼやけた視界の中で、何かが動く。駆動鎧だろうか。
奴らにとって、今の彼を捉えることなど造作もないことだ。

(酸素……、空気、風……)

まともに機能しない思考の中で、カチリとパズルが噛み合ったような音がした。
一方通行は自分に残されたすべての力を賭して、演算を開始する。
途端、嵐のように激しい風が巻き起こり、煙も炎も駆動鎧もすべてすべて吹き飛ばした。
代わりとばかりに、酸素が返ってくる。

「げほっ、ごほっ! はあ、はっ、はぁ……」

一気に酸素を吸い込んだ所為で逆にまた意識が飛びそうになったが、ギリギリ残されていた能力を使って何とか耐える。
激しく咳き込みながらもなんとか酸素を取り込み続けていると、少しずつだが意識がはっきりしてきた。

(つゥか、だから結局俺の能力は何なンだよ!)

先程は夢中だったのでよく考えなかったが、まったく考えれば考えるほど意味不明な能力だ。
ただ、できる気がしただけ。
たったそれだけなのに、まさか本当にできてしまうとは。

(まァ良い。このまま逃げ切る!)



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