過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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228: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/12/11(土) 21:06:46.28 ID:gv3XuLoo



「オマエってホントにお人好しな」

絆創膏と消毒液の入った薬局のビニール袋を上条に向かって投げ付けながら、一方通行が呆れた声でそう言った。
公園の水道で傷口の汚れを洗い流していた上条はそれを受け取ると、さっそく応急処置を開始する。

「そうか? ああいう場面に遭遇したらほっとけないだろ、普通」

今日も今日とて通りを歩いていた上条は、いつものように不良に絡まれている女の子を発見し、いつものように助けようとしたのだった。
そして、その結果がこの有様だ。
病院に連れて行った方が良いんじゃないかと思うくらい傷だらけの上条は、しかしそんなのはいつものことと言わんばかりに平然とした顔をしている。
……まあ、実際いつものことなわけだが。

「それでもあんな大勢の不良の中に一人で突っ込ンで行くその行為を一般に無謀っつゥンだよ。
 御坂も言ってたが、自殺願望でもあンのか?」

「まさか。でもまあ、あれには流石の上条さんも死ぬかと思いましたよ。いやマジで助かった」

「俺が助けに入らなかったら確実に死ンでたぞ。マジで阿呆か」

一方通行が呆れるのも無理もない。
何しろ上条は、女の子を助ける為に実に十人以上の不良を相手に戦っていたのだから。
もちろんそんな人数の不良に敵うはずもなく集団リンチに遭っていたところに、一方通行が割って入ってくれたのだ。
これには上条も驚いたのだが、一方通行は能力を駆使してあっという間に不良を駆逐してしまったのだった。

「それにしても、本当にお前の能力って何なんだ? 今日のはなんかバリアの強化版っぽかったけど」

「さァな、俺にもよく分かンねェ。あと、今日のアレはバリアじゃなくて『反射』だ。触れたものに対してマイナス掛けてるだけ。
 演算自体は簡単なンだが、常時展開してねェとだから使うにはかなり集中力がいるし、結構疲れるンだけどな」

「へー、すげえじゃん。俺の能力なんかスキルアウト相手の喧嘩になんかまったく役に立たないからなあ」

応急処置を続けながらも、上条が感心したように声を上げた。
一方通行からすれば上条の能力の方がよっぽど強いように感じるのだが、隣の芝は青いという奴だろうか。
確かに銃やナイフといった通常武器に対しては無力だが、異能に対してはほぼ無敵なのに。

「つーか、手当て手伝ってくれよ。背中とか手が届かないんだ」

「最近思い出したンだが、俺ドSなンだよな。消毒液に浸したガーゼを傷口になすりつけてもイイか?」

「すいませんやめてください」

その恐ろしい発言に、上条はすぐさま一方通行の手から消毒液を奪い取った。
冗談だと思いたかったが、ちらりと一方通行の顔を見たところ目がマジだったので本気の可能性を否定することができないのが悲しい。
とにかく上条は、以後決して一方通行に消毒液を持たせないことを誓った。

「ったく、痛い目に遭いたくねェならちっとは自重しろっての。いつか殺されるぞ」



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