過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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24:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 17:08:55.69 ID:lnwWc/Yo
「それにしても、住ンでたところまでさっぱり忘れてるとは。退院したらどォすっかな」

「あ、そっか、退院したら住むとこがないのか。じゃあやっぱどっかで借りんの?」

「そのつもりだが、IDがねェ。そンな不審者に部屋を貸してくれるところがあるかどォかだな」

「それなら、うちの学校の先生に掛け合ってみようか?
 趣味で訳ありの子供を居候させてるような先生だから、たぶん学生寮くらいなら何も言わずに貸してくれると思うぞ。
 ついでに学校にも通えばそっちの奨学金も出るし、もうちょっと生活も楽になるだろ」

「学校……ねェ」

上条の提案は魅力的だったし、ある程度信頼もできる。しかし一方通行は、どうにも踏ん切りがつけられないようだった。
一方通行は上条には到底理解できないような冥土帰しの医学書や美琴が持ってきた能力の専門書を平気で読んでいるような奴なので、
勉強についていけないというようなことは無さそうなのだが。

「まあ、とにかく考えといてくれ。悪いようにはならないと思うしな」

「分かった、考えとく」

「じゃ、そろそろ病院に行こうぜ。今日も色々持って来たし、ずっとこんなところで立ち話してたら通行の邪魔だしな」

松葉杖をついている一方通行を気遣ってか、上条はゆっくりと病院のある方向へと歩いていく。
一方通行もそれについて行こうとしたが、その途端にふと嫌な予感がして背後を振り返った。
しかし振り返ったその先には、どう見ても一般人としか思えないような普通の学生がいるばかりでそれらしいものは何もない。
一方通行は神経質になっているのかもしれないと思い直し、彼がついて来ていないことに気付いた上条に呼ばれて歩調を早めた。

そうして二人が完全にその場から姿を消すと、恐らくは一方通行の感じた不穏の正体が人混みの中から姿を現す。
それはしばらく二人の去って行った方向を見つめながら佇んでいたが、
やがて興味を失ったかのように二人に背を向けて、そのまま再び元の闇へと帰って行った。


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