過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2010/12/18(土) 19:42:14.54 ID:IhqcQz2o
いつもと同じ、他愛ない会話。
基本的に見舞いに来てくれる彼ら以外には話し相手もイベントも無い入院生活を送っている一方通行には、今更彼らに聞かせてやれるような話など何も無い。
なので彼は、黙って上条たちの話に耳を傾けていた。
ただそれだけでも、楽しかった。いや、それこそが彼の幸せだった。
けれど、そんな幸福はいとも簡単に崩れ去る。
耳を劈(つんざ)く爆音が轟く。
粉々になったガラスと、炎と、爆風と、瓦礫が視界を覆った。
瞬間、『反射』が展開し、彼の身を守る。
だから彼は、何にも阻まれることなく、すべての光景を目にしていた。
最初に、窓ガラスを食い破って、砲弾が彼らの机の中心に撃ち込まれたのが見えた。
当然、グラスも皿も机も砕け散り、爆発が巻き起こる。
砕けて凶器となった無数の破片が、他の三人に襲い掛かった。
爆発の衝撃波で、見知った誰かの身体が弾け飛ぶ。
そして全てを焼き尽くさんとして、一気に炎が燃え広がった。
血とヒトの肉が焼ける不快な匂いが充満する。
一方通行は何もできなかった。ただ、茫然とその光景を眺めていることしかできなかった。
だって、彼はすべてを見ていたから。
自分の展開していた『反射』に弾かれたガラスの破片や衝撃波や炎が、三人に襲い掛かるのを、はっきり見ていた。
彼の身体には傷ひとつなかった。
代わりに、目の前の友人たちが犠牲になった。
(……見え、た。俺が、弾い、た、瓦礫が、上条、の、頭に、突き、刺さって、)
恐る恐る、上条が転がって行った方向に視線を動かした。
後悔することなんか分かり切っているのに、それでももしかしたらあんなのは見間違いで、実は運良く助かっているのではないかと都合の良い幻想を抱いて。
そして、その幻想はあっさり打ち砕かれた。
こんなの、あんまりだ。
こいつらが、いったい何をしたというんだ。
悪いことなんか、何もしていないのに。
……どうして、こんなことに。
理由を求めて、考えて、そして彼はひとつの結論に至った。
答えは、とてもとても簡単だった。
「……俺の、せいか」
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