過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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250: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/12/18(土) 20:06:41.20 ID:IhqcQz2o

そんな会話をしていると、ふと上条は喧嘩相手である二人を押さえつけていた手に抵抗が感じられなくなっていることに気がついた。
どうしたのかと思って二人を振り返ってみれば、二人は上条たちの方に興味が移ったからか早々に喧嘩を中断してこちらを観察していた。非常にうざったい。

「おお、噂をすれば影だぜい。こないだ一緒に歩いてた子だにゃー」

「ふおおお!! アルビノやないかい! しかも可愛い! カミやんこの野郎羨ましいでほんまに!」

「何か身の危険を感じるンだが」

「危ないから下がってなさい。割りとマジで」

異常なテンションの青髪ピアスについて行けない一方通行は、ドン引きしながら一歩後ずさった。さり気なく上条を盾にしようとしている。
上条にしてみればもう慣れたものなので何とも思わないが、これが普通の正しい反応だろう。

「それで、さっき話しててちょっと気になったんだけどさ。お前って男? 女?」

「ちょっ……」

「……はァ? 見て分かンねェのかよオマエ。頭おかしいンじゃねェの?」

「へ? いやだから分からないから訊いて……」

「ちょっとカミやんこっち来い!」

一方通行の機嫌が未だかつてないほど悪くなったことに気が付かずに言葉を続けようとした上条を、後ろに居た友人二人がその首根っこを引っ掴んで強制回収する。
服を引っ張られた所為で訳も分からず首を絞められた上条は、咳込みながら二人に向かって抗議の声を上げた。

「オイコラ! テメェらいきなり何すんだよ!」

「何すんだよはカミやんだぜい! あんな質問、あの子が男だったとしても女だったとしてももの凄い失礼だって分からないのかにゃー!?
 確かに分かりづらいから訊きたくなるのも分かるけど!」

「無いわーカミやんそれは無いわー。男の風上にも置けへんわー」

「あ、そっか」

ここまで親切に説明されて、上条はやっととんでもない地雷を踏み抜いてしまったことに気が付いたようだ。
だからと言ってここで謝ってしまうのも、それはそれで性別が分からなかったことを認めてしまうことになるのでどうしようかと思っていたが、
そろりと一方通行の方を振り返ってみれば、幸いなことに彼はもう既にまったく別のものに気を取られているようだった。

「あのー、一方通行さん? 何を見てらっしゃるんでしょうか?」

「……あれ。なンでガラスケースの中にぬいぐるみが入ってンだ?」

「知らん? UFOキャッチャーやで。ゲーセンの定番やけどなあ」

「ああ、そう言えばこの間来たときは人が多かったからあんまり見て回れなかったんだよな。やってみたいのか?」

「いや。本当に散歩するだけのつもりで出てきたから、金持ってねェし。欲しいモンがあるわけでもねェしな」


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