過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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3:VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga]
2010/10/24(日) 16:10:32.78 ID:lnwWc/Yo
ヘッドセット越しに、カタカタとキーボードを打つ音が聞こえてくる。
それは時間にして一分にも満たなかっただろうが、途轍もなく長く待たされているかのような錯覚に陥った。

「まだか? 早くしねえと遠くに行っちまうぞ」

『……、…………。いねえ』

「は?」

『どの監視カメラにも写ってねえ。アイツは走り続けてるはずだから、死角にいるとは考えづらい。
 この周辺にはもういないと考えた方が良いだろうな』

「はあ? アイツは能力が使えないんじゃなかったのか? そんなことできるはず……」

『お前との追いかけっこの中で少しだけ能力の使い方を思い出したか、使えないふりをしていたか、だな。
 どちらにしろこれじゃ能力を使って逃亡したと考えた方が妥当だろう。
 俺は別のエリアの監視カメラをハッキングする。お前はその辺を走り回ってとにかくアイツを探せ』

「チッ、調子に乗りすぎたか……。仕方ねえ、本腰入れて探すとするか」

追跡者は苦い表情を作ると、自らの能力を展開させて一瞬にしてその場を去ってしまう。
……だから追跡者達は、遂に気付くことができなかった。
雪崩れて山と積まれた木箱の下に、僅かに開け放されたマンホールがあることに。


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