過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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320: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/01/04(火) 23:30:58.59 ID:6HfT1jco

美琴の言葉に、上条はがっくりと肩を落とす。……とは言っても、上条はもう既に美琴を止めることを諦めてしまっているのだが。
もちろん最初の内は彼もなんとかして美琴を止めようと頑張っていたのだが、
その内にさっさとコイツらを懲らしめて美琴の気を晴らしてやった方が手っ取り早いことに気が付いたのだ。
そして、それは正しかった。

「て言うか、アンタ何でついてきてんの? ぶっちゃけ戦力外なんだけど」

「自覚があるとはいえ、そうもハッキリと言われると傷付くな……」

「自覚があるなら尚更よ。いくら私でも、いつまでもアンタを守りながら戦い続けられるとは限らないのよ?
 実際、今までだってアンタのその右手が邪魔になったことが何度かあったんだから。その右手さえ何とかなれば良いんだけどね」

「……まあ、その辺は俺も覚悟を決めてるよ。自分の身くらいは自分で守るさ。それでも、どうしてもお前を放っておけないんだよ」

すると、美琴が僅かに上条から顔をそむけた。
しかしそれはあまりにも小さな動作だったので、上条は彼女のその行動自体にさえ気付かないままパソコンの画面を眺め続けていた。

そして暫らく無言が続いたが、やがてハッキングが終了したのか美琴がすっくと立ち上がる。
どうやら美琴は本気ですべての罪をこの駆動鎧たちの所為にしてしまうつもりらしく、
パソコンはその場に放置、しかも警備員のサーバーにつないでいる状態のままという鬼畜っぷりだ。完全に罪をなすりつけようとしている。

「……ま、どうしても付いてきたいって言うなら私は止めないわ。命の保証はしないけどね」

「分かってるって。これが自己責任ってことくらい、な」

「そう、なら良いんだけど。……それじゃ行くわよ」

美琴はぷいっと上条に背を向けると、足早に階段の方へと歩いて行こうとする。
上条は慌ててその後に付いて行きながら、足下に転がっている駆動鎧たちを見やった。

彼らはみんな美琴の電撃によって昏倒させられているものの、命を落とした者や後遺症が残るほどの怪我を負った者は一人もいない。
それらはすべて、絶妙な手加減を可能としている美琴のお陰だ。
それでもまともに電撃を喰らっているのだから間違いなく非常に痛い思いはしただろうが、言ってしまえばたったそれだけで済んだのだ。
だから彼らは、とても幸運だった。

けれど当然、彼らはたったそれだけで済ませてくれた美琴に感謝などしない。
そして、彼らの不幸はそこから始まった。



気絶していたはずの隊長らしき男が、美琴たちが去って行ってしまった後にむくりと起き上がり、懐から無線機を取り出したのだ。
そして男は怒りと憎しみに満ち溢れた表情で、補給班に命令しようとする。

「こちら追撃班。至急電撃使い用の装備を用意しろ! そうだ、超電磁砲用だ。それから一緒にいる男の方にも攻撃しろ。
 男の方は何もして来ないだろうが、知ったことか。歯向かって来る奴らはすべて殺せ! これを他の班にも通達して同様の対応を……」



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