過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/01/04(火) 23:39:27.28 ID:6HfT1jco
「うぐ……。でも、今までは大丈夫だったからってこれからも大丈夫って保証はないんじゃないか?」
「そうね」
「そうねって……」
「まあ、アンタの意見は実に的を射てるわ。実際、ここの奴らは対策を立ててるみたいだし」
美琴があまりにも何でもないように言うので上条も危うくスルーしかけてしまったが、しばらく間を空けてから彼は驚愕の声を上げた。
すぐ近くで大声を出された美琴は驚いて耳を抑えたが、上条は構わずに捲し立てる。
「対策立てられてるって、分かってるのに今まさに踏み込もうとしてるのか!? 馬鹿か!」
「うっさいわね……。対策っても申し訳程度だし、全然問題ないわ。
こないだ遊園地に行ったときに鏡の館に設置されてたのと同じような簡易AIMジャマーが置かれてるだけよ。
並みの能力者なら危ないかもしれないけど、私ならちょっと能力が不安定になるだけだし」
「AIMジャマーって……、AIM拡散力場に干渉して暴走を誘発させることで相手に能力の使用を自制させるって兵器だろ? 万が一暴走したら……」
「だから、大丈夫だって言ってるでしょ? 超能力者なめんな」
美琴は不機嫌そうにそう吐き捨てると、必死で止めようとしてくる上条を振り払って廃屋の中へと踏み込んで行った。
ずんずん先に進んで行ってしまう美琴を見て、上条も仕方なくその後を追う。
廃屋の中は、閑散としていて何もない。
もともと本当に廃屋だった場所を勝手に使っているのか、内部は薄汚れていて雑草や蜘蛛の巣が放置されたままになっていた。
少し外から見ただけとかちょっと中を覗いてみただけでは、まさかこんな場所がテロリストの拠点になっているとは思えないような場所だ。
実際、美琴でさえ警備員のサーバーからハッキングした情報が無ければ見逃してしまいそうな場所だった。
しかし、二人は部屋に入った途端、明確な異常を感じ取る。
それは目に見えなかったが、特に気を付けていなくとも察知することができるほどに明らかなもの。
匂い、だった。
それも、ただの匂いではない。
血の匂いだった。
嗅いだことが無いくらい強烈な、咽返るほどの血の匂い。
目の前には一滴の血も落ちていないのに、血の匂いだけがそこに漂っていた。
「な、んだよ、これ……」
「……先客がいるのかしら。よっぽど大勢を殺したのか、よっぽど凄惨な殺し方をしたのか、あるいはその両方か。
とにかく、人死にを見る覚悟だけはしておきなさい」
美琴も酷い匂いに顔を顰めていたが、その足を止めようとはしなかった。
同じく、上条は美琴よりもずっと酷い顔をしているのにも関わらず、彼女の後を追うのをやめない。
そして二人は一通り一階を回ってみたが、一階には何も無いようだった。
しかし二階へと続く階段に近付いてみた途端、血の匂いが増す。
地獄は二階から始まっているらしい。二人は覚悟を決めると、ゆっくりと階段を登っていった。
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