過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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340: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/01/07(金) 23:07:28.81 ID:i3GUHzEo



最初は、小走り。
次に、普通の速度で走り。
最後には、全速力。

美琴と別れた御坂妹は、まるで何かを振り切るようにして力の限りに走っていた。
残りの体力など気にしない。
ただ、ひたすらに走り続ける。
決して振り返ってはいけない。
振り返れば、きっと躊躇ってしまうから。未練を残してしまうから。

『良かったの? ってミサカはミサカは下位個体に問い掛けてみる』

『あなたですか。上位個体権限を濫用して勝手にミサカと感覚共有を図るのは如何なものかと思いますが、とミサカは冷たく指摘します』

『うん。悪いとは思ったんだけど、ミサカも最後にお姉様の顔を見たかったから、ってミサカはミサカは言い訳してみる』

『……そうですか。まあ、あなたはミサカたちの中でも最も難しい立場にいますからね。
 今回は特別に見逃してあげます、とミサカは己の懐の広さをアピールします』

『ありがと。でも、欲を言えばお姉様に『学舎の園』を案内してもらって欲しかったな、ってミサカはミサカは欲張ってみる。
 他のミサカたちも頑張ってくれてるから、もう少しのんびりしてても良かったのに』

『ミサカだけが良い思いをして、他の妹達に仕事をさせるわけにはいきません。
 それに、先日の襲撃の所為で大勢の妹達が負傷してしまいました。

 幸い死者は出ませんでしたが、それでも明日……、いや、今夜の戦闘には大きな影響が出てしまうでしょう。
 それを埋める為にも、今動けるミサカたちが最大限の準備をして、少しでも作戦の成功率を上げなければなりません、
 とミサカは正直余裕が無いことを露わにします』

『……そっか。ミサカはここで応援することしかできないけど、頑張ってね。ってミサカはミサカは下位個体にエールを送ってみる』

『ええ。あなたの仕事はそこでじっとしていることですから、決して下手なことはしないように、とミサカは念を押します』

『分かってるってば。流石のミサカだって、この局面で自分勝手なことをするほど子供じゃないよ、ってミサカはミサカはむくれてみたり』

『冗談です。それでは作戦の成功を祈っていてください、とミサカは上位個体にお願いします』

『うん、任せて。ってミサカはミサカは下位個体の依頼を請け負ってみる』

そして、御坂妹は打ち止めとの通信を終了する。
タイムリミットまで、あと少し。
けれどずっと前から入念に準備を進めてきたお陰で、今更焦るようなことは何もない。

だが。
これが成功すれば。
彼を救えれば。
『実験』が中止されれば。
すべてが、終わってしまえば。


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