過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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397: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/02/01(火) 17:55:41.65 ID:18hPWCNmo

ばさり、と背後で何かがはためく音がした。
振り返れば、そこに立っていたのは六枚の白い翼を背負った少年。
金だか茶だかよく分からない色の髪に、何らかの攻撃を受けたらしくぼろぼろになってしまっている茶色のブレザーを着ている。
……彼は、超能力者の第二位、垣根帝督。

「……!!」

「おっと、そんなに警戒するなよ。別に殺しに来たわけじゃねえんだし」

周囲の暗さと中途半端に長い髪の所為で、その目元までは確認できない。
しかし一方通行には、彼の口の端が釣り上がったように見えた。

「ま、捕縛はさせてもらうけどな。ここらが年貢の納め時だろ」

身構える間もなかった。
何の前触れもなく、突然周囲の壁や地面が一斉に爆発したのだ。
しかし、その爆発によって発生する攻撃力は、あくまで通常物理法則に則った瓦礫や爆炎や衝撃波に過ぎない。
ならば彼の『反射』で防げない道理はない。

よって、一方通行は垣根の攻撃に対して何のリアクションも起こさなかった。
身構える間はなかったが、身構える必要もなかったのだ。

やがて爆発が完全に収まって黒煙が晴れた時、一方通行は無傷のままその場に立っていた。
傷どころか、煤一つ付いていない。

「なるほど、ある程度能力が戻ってるってのは本当みたいだな」

「オマエ……」

口調や雰囲気で、何となく分かる。
垣根も、昔の一方通行のことを知っている。
そしてきっと、一方通行よりもこの能力について詳しい。
彼は、そう確信した。

垣根自身の戦闘能力もさることながら、唯一の頼みの綱である能力についての情報を握られてしまっているのではどうしようも無い。
先程と同じで逃げの一手しかないことを悟った一方通行は、能力の出力を最大にして逃走を図ろうとする、が。

「おっと、木原から話は聞いてるからな。逃走を警戒してないと思ったか?」

咄嗟。
一方通行は逃走に充てるつもりだった力をすべて回避行動に回し、真横に跳んだ。
それは、彼の全力。最大出力、だった。

……にも関わらず、彼は左足首に激痛を覚えた。
ブツンという音を聞いた一方通行は腱を切られたことを悟ったが、悟ったところで何ができる訳でもない。
垣根の攻撃による衝撃を緩和しきれなかった一方通行は、その勢いのままに地面に倒れこんだ。

混乱しつつも、彼は自らの足もとを見やる。
そこには、予想通りにざっくりと切り裂かれ、少なくはない量の血を流している自分の足首があった。



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