過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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41: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2010/10/27(水) 23:29:32.96 ID:AsXHCfIo
約束の日曜日、待ち合わせ場所である病院の前の広場で、上条は二人がやって来るのを待っていた。
本当ならこの病院に入院している一方通行が一番最初にここで待っているはずだったのだが、どうも外出手続きに手間取っているらしい。
前もって申請するのを忘れていたのと、まだだいぶ早い時間で病院が忙しいこともあって少々時間がかかっているようだ。
と言っても、冥土帰し曰くそれほど時間がかかる訳ではないらしいので、外出自体にはまったく影響はないのだが。

よって一方通行の方は問題ないのだが、集合時間五分前になってもまだ美琴がやって来ないことが気がかりだった。
女の子は身だしなみに時間がかかるという話は流石の上条も聞いたことがあるが、常盤台中学は休日でも制服の着用が義務付けられている。
なのでそれほど時間がかかるとは思えないのだが……などと考えていると、車道の向こうから美琴がやってくるのが見えた。

「ごめん、ちょっと遅れた!」

「や、そんなに待ってないよ。一方通行もまだ来てないし、ギリギリ時間には間に合ってるぞ」

「そっか、良かった。アイツはどうしたの?」

「外出手続きにちょっと時間がかかるらしい。でも、もうすぐ来ると思うぞ」

ここまでずっと走って来たのか、美琴はだいぶ息を切らせていた。
服装は上条が予想したとおりにいつもと同じ常盤台中学の制服だったが、雰囲気がいつもと少し違う気がする。
それが少し気になって、どこが違うんだろうと考えているとふと視界の端に白い人影が映った。

「あ、来たな。おはよう」

「悪ィな、待たせちまったか」

「いやいや、全然。ビリビリなんか本当にたった今来たところだしな」

ようやく手続きを終えてやってきた一方通行は、手馴れた様子で松葉杖を突いていた。
上条は以前大通りで会ったときに一方通行が松葉杖を突いているのを見ていたが、美琴はこれが初めてなので少し驚いているようだ。

「前見たときも思ったけど、なんかそれ持ってると病人みたいだな。お前、ただでさえ目立つのに」

「いや、こんなでも一応病人なのよ? 本人が元気って言い張るからそう見えないだけで」

確かに記憶喪失なのだから病人(?)なのだが、どうも一方通行は自分が記憶喪失であることをまったく気にしていないので、
なんだか上条もたまに一方通行が病人であると言うことを忘れてしまいそうになる。

と言っても日常生活に必要不可欠なことは覚えているので、普通に生活する分には不自由はない。
しかし、不安なことも多そうに感じるのだが。
もしかしたら記憶喪失になる前からの知り合いが全くいないので、逆にそういうことを気にしなくて済んでいるのかもしれない。
思い出すことのできない過去の出来事を語られて、頭を痛めたり心を痛めたりすることが一切ないのだから。


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