過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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441: ◆uQ8UYhhD6A[saga]
2011/02/07(月) 22:15:52.73 ID:K0zOCZ8xo

目を覚まして真っ先に目に飛び込んできたのは、見知らぬ薄汚れた天井だった。
いつもの、病院の天井ではない。
一方通行は驚いて飛び起き周囲を確認したが、そこはやはり見知らぬ部屋だった。

しかし、不思議と不安は感じない。
その部屋はあまりにも生活感に満ち溢れていたし、なんとなく見覚えのある雰囲気が漂っていたから、だろうか。
それでも一応警戒を怠らずに周囲を見回してみると、すぐ隣にあるベッドに美琴が寝かされていた。

「うお、もう起きたのかよ」

聞き慣れた声に振り返ってみれば、大きな鍋を持った上条が歩いて来ていた。
どうやら、ここは彼の家らしい。
一方通行は悟られぬようにほっと息をつくと、胡散臭そうに上条の持っている鍋を見つめた。

「何だ、ソレ?」

「何か食べさせないとと思ったから、お粥。怪我人に何食べさせたら良いのか分からなかったから定番メニューで」

「そンなモン、病院で食べ飽きたんだが」

「わがまま言うな。二人とも結構出血してたから本当なら肉が良いんだろうけど、残念ながら上条家にそんな余裕はありませんでした」

「そ、そォか……」

若干遠い目をしている上条を見て、一方通行が少したじろいだ。
触れてはいけないことだったようだ。
しかし上条はいつものことと言わんばかりに軽く流すと、机の上に置かれた鍋敷きの上に大きな鍋を載せる。

「本当なら病院に連れて行くべきなんだろうけど、事情が事情だったからな。
 ちょうど俺の家が近かったし、いつもの病院はちょっと距離があったからこっちにした。応急処置はしたけど、後でちゃんと病院行けよ」

「お、おォ……」

「いやあ、それにしても二人を同時に運ぶのは骨だったぞ。近いとはいえ、俺も無傷ではなかったし。まあでも二人とも無事で良かった」

見やれば、上条も体のあちらこちらに包帯を巻いていた。
あのときは垣根の能力の逆算に全神経を注いでいたから気付かなかったが、二人とも怪我をしているのだ。
それを思い出して、一方通行はふと表情を翳らせる。

「……ま、とりあえず食えよ。腹減ってるだろ?」

茶碗にお粥をよそっていた上条が、彼に向かって湯気の立つ茶碗を差し出してくる。
すると、不意に美琴が身じろぎした。



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