過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2010/10/27(水) 23:36:22.59 ID:AsXHCfIo
十分後。
……これには流石の上条も目を丸くしてしまった。何故ならなんとあの美琴が、初心者であるはずの一方通行に負けてしまったのだ。
それから何度対戦を繰り返しても、やはり結果は一方通行の勝利で終わってしまう。
そうしてやがてついに観念した美琴は、先程の上条とまったく同じようにゲーム台に突っ伏して項垂れていた。
「わ、私の完敗よ……。まさかここまで完膚なきまでにやられるなんて……」
「うおお……。すげえな、俺なんか一度も勝てなかったのに」
「こンなの、操作方法とコツ、機械の挙動のクセさえ覚えちまえば簡単だ。
それについさっきまで御坂がプレイしてるのをすぐそばで観察してたから、御坂の戦い方もついでに覚えちまったンだよ」
「つまり、あの時点で既に私は看破されてたってわけね……」
一方通行がわざわざ上条ではなく美琴との対戦を希望したのには、こういう裏があったのだ。
なのでもし一方通行が美琴ではなく上条と戦っていたら、また違った結果になっていたのかもしれない。
「でも、初めてなのに横から見てただけで急にあそこまでできるのはすげえよ。器用なんだな」
「て言うか、アンタって頭良いわよね。やっぱり前は良い学校に通ってたのかしら。……あれ、そう言えばアンタって何歳?」
「知らねェ。まァ、身長が上条と同じだからそれくらいじゃねェか?」
項垂れていると言うよりゲーム台の冷たい感覚が気に入ったのか、美琴はまだゲーム台の上に頭を乗せたままごろごろしていた。
どうせ学園都市製のゲーム台なので高度な防菌加工がしてあるのだろうが、綺麗な訳でもないのだからよせば良いのに、
などと上条が思っていると、ふと美琴がごろごろするのをやめてある一点を見つめはじめた。
何かと思って美琴の視線の先を追ってみると、そこには如何にも女の子が好きそうなプリントシール機が設置されているではないか。
「なンだ? オマエ、あれがやりたいのか?」
「待て待て一方通行。アレはプリクラと言ってだな、シールになる小さい写真を撮る機械だ。ゲームじゃない。
女の子が友達同士で撮ったり、恋人同士で撮ったりするものであって、俺らのような人間が撮るようなものじゃないんだよ」
「ふゥン。そりゃ、確かに女が好きそうな玩具だな」
「良いじゃないプリクラ! 記念にもなるし撮りましょうよ! て言うか実は私も撮ったことないから撮ってみたいのよ!」
美琴は急にがばっと立ち上がると、プリントシール機を指差しながら熱弁した。よっぽどやってみたいらしい。
しかし男である上条は、どうしてもああいったものには抵抗があった。と言うか凄まじく恥ずかしい。
逆に一方通行は未だにプリクラをよく理解していないからなのか、どうして上条がそこまで嫌がっているのか分かっていないようだ。
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