過去ログ - 上条「だからお前のことも、絶対に助けに行くよ」一方「……」
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◆uQ8UYhhD6A
[saga]
2011/02/15(火) 20:01:42.90 ID:2woxd/9Lo
廃ビルに、照明などあるはずもない。
一方通行は月明かりさえ届かない真っ暗な部屋の隅で、壁を背にして携帯電話を弄っていた。
よって、この場における光源は携帯電話のみ。
目が悪くなってしまうことも気にせずに、一方通行は真面目な顔で携帯を操作し続けている。
携帯電話の画面に映っているのは、学園都市の求人情報。
今日一日は休養に充てることにしていたのだが、それでもまったく何もしないというのも勿体ない気がしたので、
あれから目を覚ました彼はこうしてずっと携帯を通じて仕事を探していたのだった。
……しかし、どれもこれも条件が厳しい。
冥土帰しに偽造してもらった身分証があるからその辺りの心配はいらないのだが、条件に『学校に通っていること』という項目があるのだ。
それは一般の大人がスキルアウトのような子供たちから身を守る為のものなのだが、今の一方通行にとっては非常に難しい条件だった。
一方通行くらいの年齢の子供は普通、学校に通っている。
にも関わらず学校に通っていない子供なんてのは、通常スキルアウトくらいのものなのだ。
だから、相手の言い分も理解できる。
……理解はできるのだが、今の一方通行にとってこれほど恨めしい条件は無かった。
学校に行くことができないから仕事を探しているのに、学校に行っていないからと言う理由で仕事に就けないとは。
(……どォしたモンかねェ……)
何処をどう探してみたところで、やはり目ぼしい仕事は見つからない。
一方通行は溜め息をつくと、結局何の情報も彼に与えてくれなかった携帯電話をぱたんと閉じた。
途端、辺りは真っ暗闇に包まれる。
(やっぱり、自分の足で探して直接交渉なりなンなりするしかねェな。最悪、能力を利用した実験台も覚悟するか。……限度はあるが)
辺りは真っ暗で何も見えないというのに、一方通行は少し離れた場所にあった鞄を正確に引き寄せて携帯電話を仕舞い込む。
そして冷たく硬い地面にごろんと横になり、目を閉じた。
ちなみに、流石に目が覚めた時に体中が痛くなっているのはごめんなので、多少能力で身体を保護している。
つい数時間前に起床したばかりだというのに、眠気はすぐに襲ってきた。
そしてうとうととし始め、いよいよ意識が睡眠の闇の中に落ちそうになった、その時。
こつん。
足音。
少し遠くから、しかし確実にこちらに向かって歩いてきている、足音。
その音に、眠りに落ちようとしていた一方通行は飛び起きた。
(何モンだ? 追手、いやただのスキルアウトの可能性も……)
しかし、どちらにしろ敵には違いない。
一方通行は起き上がると、壁に背を付けて部屋の外の様子を窺った。
遠くの方に、小さな光が見える。
どうやら、相手は懐中電灯を持っているようだ。
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